2012.03.22 のニュース
ガソリン160円相場に 今週も大幅値上げに取り組む ~即ユーザー転嫁の商慣行に~
ガソリン市況は160円/L相場となってきた。仕切価格が2月から連続値上げとなり、17日からも3円値上げが実施となった。石油情報センターの調査価格(12日)は全国平均が153円、東京が156円、神奈川が153円となっており、今週にも仕切価格の値上げでユーザー転嫁が実施となるため160円に乗せる。街道沿いのボトム価格も155円から3~5円の値上げになりそうである。仕切価格は140円を超えて142~3円となっており、一気に高価格となってきた。仕切価格は毎週3円程度の値上がりが実施されているため、ユーザー転嫁が遅れると販売業者は、コスト増加分を負担することになる。仕切価格は金曜日に通告、土曜日から実施となるが、ユーザー転嫁は、土、日曜日は見送り、火、水曜日と遅れるのが大勢である。そのため、最近のように毎週値上がりする局面が続くと、販売業者は、直ちにユーザー転嫁に取り組まないと赤字となる。即日転嫁の商慣行を定着すべきである。
ガソリンの仕切価格は2月12日から6週連続の値上げとなっている。現金価格の場合は、看板価格を改定することで、仕切価格の値上げ分をユーザーに転嫁して回収することができる。
それでも周辺のSSの価格動向をみて対応するため、ユーザー転嫁は遅れる。
掛売となると月決めであるため、SSサイドでは対応に苦慮している。取引きは20日締めか月末締めとなり、1ヵ月分を決済するが、毎週販売価格が値上がりが続いているため、ユーザーに月単位での請求の際には、その算出が難しい。
一連の仕切価格をみても2月は11日からの3週間で累計6円50銭の値上がり、3月は3週間で9円の値上がりとなっている。掛売のユーザーに対し、毎週値上げを通告することも難しい。請求時に、了解を得ることで信頼ベースで決済することになるが、最近では月初と月末とで販売価格が大きく違うため、ユーザーに対して説明するものの請求段階では苦慮する。
ガソリンの場合は、業務用車への給油はコンスタントにあるが、灯油などの大口のローリーの持ち届けとなると、注文を受けた日と給油する日では販売価格が大幅に違うため、販売業者は対応に苦慮している。事前の価格変動を考慮して契約していても、最近のように価格変動が大幅であるため、予想がつかず取引きが難しくなっている。
また、連続の値上がりとなっているが、いずれは下落する局面になる。値上げ分を回収しないうちに、市況が急落すると、販売業者は、赤字を抱えることになる。そのため仕切価格の値上げは即ユーザーに転嫁することを商慣行として定着させることが重要となる。