2012.04.02 のニュース
4~6月需給取組み注目 停止製油所が稼動 ~不需要期で供給増の懸念も~
石油各社の4月~6月の需給取組みが注目されている。4月~6月は不需要期であり、国内販売数量が減少する。また、製油所の定期修理時期と重なるため、各社の生産対応が注目となる。操業を停止していたJX日鉱日石エネルギーの仙台製油所が稼働を開始し、コスモ石油の千葉製油所も近々稼働を再開するため、各社の思惑も絡み、予測が難しい。これまで、仙台、千葉製油所の稼働停止状況下で、各社の市中買いによる需給調整が行なわれていたが、今後は市中買いが減少することになるため、全体の需給バランスに影響しそうだ。供給増となることも懸念されるため、各社が実需に見合った生産対応ができるかが鍵となる。出光興産の4月~6月の原油処理量は、前年比の横ばいで臨む方針を打ち出している。
新年度の4月入りとなるが、24年度の石油需要の見通しは策定されていない。そのため、石油各社は自主的な見通しを立て需給に取り組むことになる。昨年は3月の東日本大震災のため、需要見通しを策定せずに対応した。
現在審議されている政府の長期エネルギー見直しの作業が5月頃までかかり、石油の需要見通しの策定作業が遅れることから、今回各社は自主的な対応となるが、基調は需要減が続くとみている。
原発が稼働停止しており、定期点検を終えても再稼働ができないとなると、石油火力にシフトする。そのため、電力用C重油、生だき原油は大幅増となる。C重油が増販となるため、燃料油全体の落ち込みをカバーすることになるが、基調は減販、減産対応となりそうである。
昨年、4月~6月の燃料販売は前年比で6%減、4月~今年1月までの累計では2%減となり、油種では電力用が増加して、C重油が28%増となっているが、その他の油種は軒並み減少している。
復興景気による需要回復が期待されるが、見通しは難しく、ガソリン、中間留分はマイナスで推移しそうである。