2012.04.19 のニュース
車の利用像を経営に生かそう
2011年度の新車販売台数は、普通乗用が前年度比2.8%増の131万台、小型乗用が1.8%増の142万台、軽4輪は3.7%増の169万台。年度前半は落ち込んだが、12月下旬に復活したエコカー補助金が終盤の押し上げに寄与した。売れ筋トップ5はプリウス、フィット、ワゴンR、ミラ、ムーヴ。登録乗用車に占めるHVシェアはいまや約2割にまで高まっている。一方、軽自動車が登録車全体の約4割を占め、外車乗用車シェアが8%まで上昇。HVや1700CC以下へのダウンサイジング・軽シフトは概して低燃費化につながるから、こうしたクルマ市場の変化を見据え、SS業の基盤を見直すべきとも示唆されている。
しかし悲観し過ぎる必要はない。乗用車系の保有台数全体に占める新車販売比率は6.5%程度だ。ガリリンを燃料とするクルマ自体は減っていない。自工会調査によると、乗用車の世帯保有率は8割弱で、ここ10年ほぼ同レベル。複数台所有率も4割程度で推移している。
むしろユーザー像が大事な指標だ。主ドライバーの女性比率は4割で、うち3割強は既婚者。平均年齢は男性52歳、女性47歳。月間維持費は1.25万円。1週間の使用頻度は平均5日だが、毎日が4割、0~3日が3割と差は大きい。月間走行距離は10年で1割減の410キロ。平均燃費はリットル11KLで、7~12KLが55%と過半を占め、軽平均は12キロとモード燃費とのかい離が目立つ。保有予定期間は新車購入で7・9年、中古車で6年と長期傾向が続く。次世代車の購入検討順位では、超低燃費ガソリン車とHVが約4割で拮抗しているが、所得水準などの理由から、買い替え予定車の動力タイプとなるとガソリンエンジンが62%で、HVの28%、EVの5%を引き離す。
今回の調査ではガソリン価格上昇による影響も聞いている。「200円以上」でクルマの保有・購入になんらかの行動を起こす割合が高まる傾向が見られるが、その最たる保有中止は「200~219円」で14%、「240円以上」で12%と続く。しかし、「行動しない」が62%と圧倒的。こう見ていくと、ガソリン需要減の理由は、走行距離によるところが大と映る。
繰り返すが、ガソリン車主役の時代まだ続く。カーディーラーや整備業者に負けないよう、SS経営のヒントを精力的に探究したい。