日刊ニュース

2012.04.25 のニュース

週動向調査と実勢市況で価格差 ―時間的なズレ、下げ過ぎを懸念―

 みずほ総合研究所の週動向調査価格と実勢市況との間に1週間以上のズレが生じている。週動向調査(16日)のガソリンは、平均では157円/Lで前週比で1円の値下がりで止まっており市況は維持されている。東京が158円、神奈川は155円で各2円の値下がりとなっている。
 しかし、実勢市況でみると、首都圏の街道沿いでは150円前後となり、3月末に比べると6~7円の値下がりとなっている。このように週動向調査と実勢市況との間に時間的なズレが生じている。
 週動向調査は月曜日に実施され、発表が水曜日となっている。一方で、仕切価格の改定は土曜日となっており、ユーザー転嫁が即日の土曜日から実施となれば、月曜日の調査価格に反映されるが、実際には火曜日、水曜日に遅れて実施されているため、週動向調査の結果は1週間以上が遅れた価格となる。
 仕切価格の変動で値上げ、値下げが小幅な局面となると、ユーザー転嫁が数週間遅れることもある。仕切価格の値下げ局面でみると調査価格(末端市況)の値下げが遅れることは、販売業者がマージンが確保され利益が見込まれることを意味するが、これは一時的なもので、大勢は下げ過ぎとなり、利益を吐き出すことになる。今回も値下げ局面となり、下げ過ぎが懸念されている。
 週動向調査では、値下がりのテンポが遅く、火曜日、水曜日の実際の値動きが反映されていないため、市況実態を、よく把握して対応しないと予測を誤ることになる。値上げ、値下げのスタート時は、調査価格の変動が遅れるケースがあるが、時間の経過とともに是正される。ただ、値上げ、値下げが急である場合は、値取りが間に合わず不発となり、販売業者の負担となるケースも多い。
 2~3月での仕切価格の値上がりが大幅となり、この間の累計で15円~16円の値上がりとなった。一方、ユーザー転嫁の取り組みは、週動向調査でみると2月が143円であったものが、3月で158円となり15円の値上がりとなったことで、仕切価格の値上げ分をほぼ転嫁したことなる。だが、ユーザーには完全に転嫁するまでに至らず、未転嫁分を残している。今回も未転嫁分を残したまま値下がりとなり、マージンを確保ができない状況となりそうである。
 今後も調査価格が、値下がりするものと予想されている。それでも調査価格は現金価格であるため、SS店頭の実勢市況(表示価格など)に比べると2~3円高となっている。販売業者も調査価格が高値であることを理解して市況対策に取り組んでいるが、値下がり局面では、下げ止めの目安を示すことは難しく、当面は成り行きを見守る構えである。
 今週末までには下げ止めをはかり、そのまま連休商戦入りを狙うことになる。そのため28日の仕切価格の改定が注目される。そこからは連休となるため、5月11日までは横ばいで対応するとみられる。そのため今週の市況形蔵がポイントとなる。連休中は、原油価格が大きく変動しても、国内の業転、先物市場は休みとなるため、販売業者も市況維持に努めることになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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