日刊ニュース

2012.05.14 のニュース

1割減の市場「復活」効果

 生活必需品、代替不可能なガソリンという商品は、その性能・効力に加えて、その担税力が極めて優れた商品であることを改めて実感される。そうであるが故に、その価格にまつわる情報は社会の大きな関心事項となり、政治・行政からの視線も熱い。我々SS業の内部では、価格変動と売行きの両面で、商圏内で大きな労力が費やされている。
 4月のガソリン販売量は、統計的には前年比プラスを示す。前年のそれが、大震災と原発事故の直後の列島・凍結状態だった反動によるものだが、前々年の潮流を引き継いだほうが、SS事業の実態を正しく判断する材料になるだろう。
 SS事業の根幹を成すガソリン内需の実態は、前々年の5%減というのが平均的な姿になる。高速休日1千円制度がなくなった個人ユーザーの消費実態は、恐らくは1割減という姿だろう。
 法人ユーザーが少なく個人ユーザーをより多く抱え込んでいる現金指向の量販店ほど、現在の内需減退の影響を大きく受けているはずだ。出でも東日本ではGW後半の天候不順がたたり、その経営マインドはより大きなマイナスダメージを被っているだろう。これは東日本地域のほうがより下げ幅が大きく、安値指向が強く生じている事実につながる。
 ガソリン内需の近況はほぼ年5500万KL。仮に1%の底上げが図れればガソリン税のみで296億円の増収が国にもたらされる。消費税タックス・オン・タックス分も15億円が国庫に入る。高速休日1千円制度を廃止して、復興財源へと向かった財源は約500億円という。
 GW期間の個人の動きを示す各指標のうち、鉄道や飛行機の旅客数は、「極度に悪かった前年」との比較で軒並み大幅増を記録している。ところが高速3社と国道の通行量は、「極度に悪かった前年」にさえ届かなかった。高速休日1千円制度の廃止。その影響が顕在化しているのが紛れもない事実であろう。
 石連統計によるGW2週間のガソリン出荷の総量は210.5万KLにとどまった。これを年換算した26倍の数字は5500万KLに届かない。SSにとっての最大の商機・書き入れ時を年ペースに置き換えても5500万KLにさえ届いていないのだ。このまま無策で放置すれば、税収もそれに比例して落ち込むことを意味している。策が必要だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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