日刊ニュース

2012.05.14 のニュース

ガソリン下落 仕切値下げ分を返す ―原油再下落でさらに値下がりもー

 みずほ総合研究所の市況週動同調査(7日)によると、ガソリンは153円/Lで前週に比べて1円の値下がりとなった。軽油も133円で1円の値下がりとなり、ガソリンの
値下がりと連動している。ガソリンと軽油との価格差は20円となり、税金の差額分か21円となるため、実態としてはほぼ同額となる。
 ガソリン価格は4月初めが158円であったため、累計すると5円の値下がり。連休中には3円の値下がりとなった。仕切価格も4月で約6円の値下がりとなっているため、ほ
ぼ同額の値下がりとなってきた。経済産業局別でみると北海道が151円、東北、関東が152円、近畿が155円、九州が157円となっていることで「東低西高」の価格体系
となり、地域格差が出てきた。
 また、値下がり幅は、北海道では4月初めに160円であったものが151円と9円の値下がり、東北、関東が158円から152で6円の値下がり、近畿は158円から155円で3円の値下がり、九州は161円から157円で4円の値下がりとなっている。現在、市況は下落が続いており、安値に収斂することも予想されるため価格差が縮小されそうである。
 仕切価格の値下げにより、末端市況が下落することは、経済原則が働くため当然の成り行きであるが、その場合も常に適正マージンを確保することがポイントとなる。
 マージンはフルサービスSSでは12円が必要とされており、これにプラス消費税(6円)が販売価格となるのだが、HC、量販店などはマージン5円でも経営が成り立つとし
ている。そのため販売価格差が生じているが、この価格差問題を調整することは難しく解決の道はない。
 ここにきて原油価格が再度、値下がりしており、市況下落に、さらに勢いがつくのではないかと懸念されてきた。先物が69円/L(ガソリン税除く)、業転市況が124円と値下がりしている。そのため、仕切価格が12日(土)から値下げとなると、末端市況も値下がりするとみられる。すでに一部では、先取りして値下がりしている。連休中は、市況維持のため仕切価格が据え置きとなっていたが、4月の仕切価格の値下げが影響して末端市況は下落した。その中で、値下がりが遅れていた地域などもあり、販売業者もマージンを確保したケースも出た。
 仕切価格の値下げ局面では、慌てて値下げせず市況を維持すれば、それだけマージンを確保できるチャンスとなる。しかし、大勢は仕切価格の値下げ以上に末端市況が値下が
り、結局は利益を吐き出すことになる。値上げ局面では需給がタイトとなり、業転市況も値上がりするため、末端市況も迅速な値上げが可能となり、マージンが確保できる。2月~3月の仕切値上げのときには、毎週3円程度の大幅値上げが実施されたが、末端価格のユーザー転嫁は順調に行なわれた。
 現在、震災の影響で停止していたJX日鉱日石エネルギーとコスモ石油の2製油所が操業を再開したため需給が緩和している。さらに、連休明けで販売が落ち込むため、価格競
争が懸念される。2月~3月の値上げ時期に比べると、販売減、需給緩和と環境は悪いが、ここはマージンを確保することで乗りきるべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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