日刊ニュース

2012.05.17 のニュース

ガソリン値下げ局面が続く ―仕切値下げの範囲内に収めるー

 ガソリンの仕切価格は12日から2円60銭~80銭/Lの値下げとなった。大型連休明けで販売減となる時期での値下がり局面となるため、販売業者にとっては厳しい状況となってきた。しかし、仕切価格が値下がり局面であっても、市況を維持すれば、マージンを確保できる。ここで価格競争に陥らなければ利益計上のチャンスとなる。だが、値下がり局面になると、一気に値下げ幅が拡大する傾向があり、下落をどの水準で食い止めるかがガギとなる。
 仕切価格は2月~3月の累計で15円~16円値上がりした。そのため販売業者も順調にユーザー転嫁に取り組み、軌道に乗ったと一息つく段階になった矢先に、4月以降は一
転して値下がり、連休前までには約6円の値下がりとなった。連休中は横ばいで推移したが、12日からは3円弱の値下がりとなった。仕切価格は値下げ局面となっている。原油価格の変動の影響を受けて、仕切価格も大幅な値上がり、値下がりを繰り返している。だが、原油価格の安定を望むことは難しい。
 ここにきて原油価格は、WTIで95ドル/バーレルに下落した。アメリカの株安、フランス、ギリシャの政治混乱を反映したものとみられる。中東産は109ドル、ブレントは112ドルへと値下がりしている。原油安を受けて出只工業品取引所のガソリン先物は4月中句に74円であったものが、65円と9円の値下がりとなっている。65円はガソリン税を加算すると約119円となる。業転市況は123円で推移しているが、今後は原油価格次第で値下がりも予想される。
 ガソリンの末端市況は、みずほ総合研究所の調査でみると全国平均で153円となっており、4月初めの158円に比べると5円の値下がりとなっている。経済産業局別では北海道が151円、東北、関東が152円と安値となり、今後も値下がりしそうである。仕切価格が12日からも値下がりとなったことから、さらに市況の値下がりに拍車がかかるかが、今後、注目される。
 街道沿いでは150円を割り147円がボトム価格となっており、HC、量販店は140円を割っているため、一般SSも、これから値下がりが予想されている。
 原油価格が下落傾向を強めているため、仕切価格の値下がりを機にガソリン市況も値下がりとなりそうであるが、下げ過ぎを警戒しなければならない。本来ならば、ここで市況
を維持すれば、マージンを確保できるのだが、すでに140円割れが散見してきたため、どこまで防戦できるかにかかってきた。販売業者も先取り値下げせずに、市況維持に努め
たいところであるが、いつまでも高値を維持すると販売数量が落ち込むため、結局は値下げせざるを得なくなる。末端市況が値下がりとなってきたことから、ユーザーが安値感を持つことで需要が回復することになれば好材料ともなる。
 ガソリン価格の値下げも、仕切価格の値下げの範囲内に止めることでマージンを確保できれば、問題はない。150円以上は高値感を持つとされているため、140円台に止め
ることで需要の回復を期待したいところである。販売業者も2月~3月の値上げをうまくユーザーに転嫁したことから、値下げ局面も冷静に対応することが望まれている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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