日刊ニュース

2012.05.21 のニュース

ガソリンは15円上げの10円下げ ―仕切価格の変動と同値で推移―

ガソリン市況は下落が続いているが、これまでの動向をみると2月~3月で15円/L値上がりしたが、4月~5月では10円値下げした。みずほ総合研究所の週動向調査によると、2月中旬には143円であったのものが連続して値上がり、4月初めには158円と、累計して15円の値上がりとなった。その後は原油価格が一転して値下がり、仕切価格も値下がりしたため、足元の5月14日には152円となり、累計で6円の値下がりとなっている。毎週の値下がりとなっているが、うち、北海道が150円で9円、東北、関東が151円で7円の値下がり、九州が156円で6円の値下がりとなり地域格差が生じてきた。首都圏の街道沿いは144円~145円が中心値となっており、これらは4月初めから10円以上の値下がりとなっている。また、HC、量販店は140円を割って139円となっている。
 一方、仕切価格は2月~3月で15円~16円の値上がりとなった。4月~5月では9円(4月が約6円、5月が3円)の値下げとなっている。このようにみると、仕切価格も約15円値上がり、その後は10円の値下がりと、末端市況と仕切価格の変動は、ほぼ同額で推移している。仕切価格と末端市況の変動が大幅であるため、タイムラグと地域差による市況のバラツキが生じており、落ち着くまでは時間がかかるが、これまでのところ仕切価格と末端市況は整合している。地域によっては仕切価格の値下げを先取りして、末端市況が下落しているところもあるが、この辺りで市況が落ち着けば、販売業者もマージンを確保できそうである。
 東石商の16日の調査では、仕切価格は130円、消費税を加算すると136円となり、マージンを10円とすると146円が販売価格となる。マージンを12円とすると148円。業転は125円で消費税を加算すると131円となり、139円で販売するとマージンは8円となる。系列仕切価格と業転とのあいだに5円の価格差があり、HC、量販店は低マージンでも経営が可能であるため、140円割れでも販売可能となる。フルサービスSSが、この安値に対抗して販売すると、マージンが少なく赤字となるため、採算販売に徹することが重要となる。HCとは仕切価格で5円の格差、販売価格も低マージンで経営が可能であり5円の格差が生じるため、合計で10円の格差のハンディを負うことになり、厳しい経営が続いている。
 さらに仕切価格は、今週(19日から)も、小幅な値下がりが見込まれるため、連続の値下がりとなることから、末端市況の下落が加速することが懸念される。
 原油価格(中東産)の動向をみると1月が平均で110ドル/バーレルであったものが、2月が116ドル、3月が122ドルへと値上がりした。イランの核開発疑惑問題で、アメリカとイランが対立し原油供給途絶の懸念から急騰した。国内のガソリン価格も158円となり160円超えも予想される状況となっていたが、その後、欧州債務危機の再燃から中東産原油も値下がりに転じ、4月が118ドル、足元は107~108ドルへ値下がりしている。WTIも、3月に106ドルであったものが、5月で100ドルを割り、93ドルへと値下がりしている。アメリカ、欧州の株価が連動しており、見通し難となっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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