2012.05.23 のニュース
製品需給バランス保つ 定期修理と減産対応で ~仕切連続下げで市況対策に苦慮~
製品需給は不需要期であるが、バランスを保っている。東日本大震災の影響で、操業を停止していたJX日鉱日石エネルギーの仙台製油所とコスモ石油の千葉製油所が再開したが、現在ほかの製油所が定期修理期間に入っているため、供給増には至っていない。当初は、供給増による需給バランスの緩和が懸念されたが、各社が基本的に減産対応で臨むことで、適正需給に努めている。問題は、原油価格が急落しているため、仕切価格が連続値下がりし、それにより末端市況も値下がりを続けている。そのため、販売業者にとって市況対策の立て直しが困難な情勢となり、対応に苦慮している。原油価格の動向は、依然としてイラン核開発疑惑問題が不透明であること、また、OPECが過度の価格下落に対して減産で対応することなどを考えると、下落も長続きはしないとみるべきである。
製品需給について、暖房用の灯油、A重油などはシーズンが終了しているため、大幅な減販となる。
C重油は原発の稼働停止によって、電力用が増販続きで、足元の電源構成比では、石油が20%(2010年度7%)と大幅増加となり、重油、原油の生だきが急増している。
ガソリンは、4月販売が低調であったものの、需要回復傾向にあり、在庫も220万KL程度で推移しており、例年並みとなっている。
ただ、仕切価格が連続して値下がりしているため、先物、業転市況が急落している。仕切価格の値下げを先取りしたSSでは、140円/L割れとなっている。
また、HC、量販店などは薄利多売の販売方針をとっているが、SSの安値に対抗して、さらに安値販売に走ると、赤字の可能性もあって、下げ過ぎを警戒している。
いずれにしても不需要期であるため、需給緩和が懸念されている。
一方、原油価格は長期にわたって下落することはなく、いずれ反発して値上がりすることも予測され、ここは需給バランスを保つことが重要となる。