日刊ニュース

2012.06.06 のニュース

原油が欧州危機で急落 中東産は100ドル割れに ~ガソリン市況維持は困難~

原油価格が下落してきた。1日のWTIは83ドル/バーレル、ブレントは100ドルを割り97~98ドル、中東産も95~96ドルとなってきた。原油価格の下落はヨーロッパの財政危機により欧米が株安となり原油価格に連動しているもので、為替も円高となるなど見通し難となってきた。イラン核開発問題という値上がり要因を打ち消すかたちで、原油価格は値下がりとなってきた。この流れを受けて先物、業転市況の動向が注目される。先物は62~3円/Lと値下がりしてきた。2日からのガソリンの仕切価格の改定では、据え置きと40銭~1円の小幅値下げとなり、市況維持が見込まれていたが、再び原油価格の値下がりという状況で様相が変わってくる。ガソリン市況は、続落しており、みずほ総合研究所の調査(5月28日)では全国平均が147円で、前週に比べ2円の値下がりで推移している。仕切価格が、ほぼ据え置きとなったため下げ止めが見込まれていたが、ここにきて原油価格の再下落で、ガソリン市況値下がりの加速が懸念されてきた。
 ガソリン市況は続落しており、首都圏の街道沿いでは、ボトム価格が140円/Lとなってきた。130円台も多くみられるようになり、安値は132~133円、会員割引き価格では130円割れも散見されているため、130円の維持も難しくなってきた。原油価格はWTIが83ドル/バーレル、ブレント、中東産が100ドルを割るという低価格帯となると、ガソリ市況は再度値下がりしそうである。
 5月末では、原油価格も安定するかにみえたため、ガソリン市況は下げ止めから市況維持の動きにあったが、6月入りで再度、値下がりとなってきため、思惑が外れそうである。原油価格は値下がり傾向にあったが、5月末では中東産も100ドルを超えていたため、依然として高値であるとして、下げ止め、維持を目論んでいた。
 しかし、6月入りで100ドルを割り込むことになり、東工取のガソリン先物も62~63円へと下落してきた。そのため末端市況の維持が難しくなり、仕切価格の値下がりを先取りして、値下げに拍車がかかる懸念も出てきた。
 今週の原油価格の動向が注目されるが、国内の先物、業転市況が、どのように反応するかがポイントとなってきた。業転安を先取りして安値販売が横行すると、販売業者はマージンを吐き出すことになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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