2012.06.13 のニュース
ガソリンは今週も下落か 仕切価格も連続値下がり ~安値は130円割れも散見~
ガソリンの仕切価格は9日から2円50銭/Lの値下がりとなり、今週も末端市況は値下がりが見込まれている。原油価格は下落し、円高によるコスト安で仕切価格も連続して値下がりしている。ガソリンの末端市況は、街道沿いSSでのボトム価格140円の維持が難しく、139円となってきた。量販店などの安値も130円台の前半、カード割引きでは130円割れも散見しており、今週、さらに値下がりするとみられている。仕切価格が連続しての値下がりとなっているため、末端市況も値下がりに拍車がかかりそうである。販売業者も下げ過ぎを警戒するしか対応策はなく、当分の間は様子を見守ることになる。仕切価格の値下がり対して、末端市況を維持すれば利益を確保できるチャンスとなるが、4月以降。値下がり続いているため、先取り値下げが懸念されている。
原油価格の下落を受けて仕切価格も値下がり、ガソリン市況は下落が続いている。みずほ総合研究所の週動向調査(4日)では146円/Lで前週に比べて1円の値下がりとなり、9週連続しての値下がりとなった。今週も2~3円の値下がりが予想される。
4月初めの週動向調査の平均が158円であったため、累計で12円の値下がりとなる。だが、街道沿いは130円台となっており、実勢市況では20円以上の値下がりとなっている。
原油価格はWTIが84~85ドル/バーレル、中東産が97ドルと108ドルを割っている。為替は78~79円/ドルの円高で推移しているためコスト安となっている。コスト安を直ちに反映する東京工業品取引所のガソリン先物は62~63円に、業転市況は118~119円となっている。
原油価格の値下がりは、ヨーロッパの財政危機が波及し株安となり、これに連動している。アメリカ、日本も株価は下落しており、景気回復の見通しは立たずに原油安となっている。イランの核開発問題による原油の供給危機が発生するとの予測は後退し、それ以上にEUの財政危機が深刻に受け止められている。
そのため原油価格が乱高下しているもので、現在の相場は安値であった昨年夏の水準に戻ったことになる。産油国は「原油価格は財政面から100ドルの水準は確保したい」としていたが、100ドルを割り込む現状に、減産による需給調整の動きも出そうである。