2012.06.25 のニュース
ガソリン市況 値上げ前の水準に戻る ―原油の大幅変動で市況対策に苦慮―
みずほ総合研究所の週動向調査(18日)によると、ガソリンは142円/Lとなり前週の144円に比べ2円の値下がりとなった。11週連続の値下がりとなり、4月初めの158円から16円の値下がりとなった。
今年2月には143円であったが、4月初めには158円まで値上がり、その後は急落して142円へと16円価下がりしたことで、再度、2月の水準に戻ったことになる。原
油価格の高騰により2月~3月は値上がりしたが、その値上がり分が4月~6月で下落するという激しい値動きをみせており、石油業界は市況対応に苦慮している。
原油価格は、ドバイでみると1月が平均で110ドル/バーレル、2月が116ドル、3月が122ドルヘ上昇、その後は急落して、4月が118ドル、足下は100ドルを割って95~96ドルで推移している。
原油価格の乱高下は、イランの核開発問題による原油供給の逼迫懸念から、一時は125ドルまで値上がりした。しかし、ギリシヤなど欧州金融不安が再燃したことから株価が下落、これに連動して原油価格が急落した。ギリシャの再選挙では緊縮派の勝利によってEUに止まる方向となり、混乱が回避されたことで原油価格も下げ止めとなったかにみえたが、未だ流動的である。
4月からの原油価格の下落で、ガソリンの仕切価格も連続して値下がりしており、末端市況は、それをさらに先取りして値下がりしている。18日の週動向調査の平均は142円となっているが、経産局別では北海道で140円、東北、関東が141円となっており、うち千葉、埼玉は139円となっている。首都圏の街道沿いは135円が中心相場で、HC、量販店は130円を割っている。カード割引きとなるとさらに値引きとなるため、下げ止めには至っていない。それでも仕切価格が、据え置きの方向になってきたため、末端市況は、安定するのではないかとの見方も出てきたが、原油価格の動きが不透明であるため、予断を許さない状況が続いている。販売業者も、仕切価格が連続して値下がりしていることから、毎週値下げを繰り返しており、値下げ競争がエスカレートしているため相場感も失っている。周辺SSの販売価格をみて対応しているが、安値の業転玉を購入しているHC、量販店の販売価格に連動して値下がりとなっている。
値下がり局面では、業転市況の値下がりが先行することになり、仕切価格との間に価格差が生じてきた。そのためブランド料の引き下げを求める声もでている。
原油価格の見通しは、依然として不透明であるが。ガソリンの業転市況も販売減が影響して安値となっている。特に大口の海上物(バージ)が高く、小口の陸上物(ローリー)が安値となっている。元売は製油所の定期修理もあるため市中買いに出ており、大口が値上がりしているが、小口は販売減が影響してか安値となっており、その差は4円~5円程度ある。本来は大口が安く小口が高くなるのだが示口安と逆転している。
6月は入梅であり、天候不順で、土、日曜日も雨が多く、販売不振となっている。6月は例年、販売が落ち込むため市況も下落するが、6月も残り僅かとなり、夏休みシーズンに入る7月に、増販を期待することになる。