2012.07.04 のニュース
政府が3つの選択肢を決める ―国民的議論となるが、原発ゼロが多数にー
エネルギー・環境会議(内閣府)は29日に開かれ、2030年のエネルギーミックスの選択肢が決められた。選択肢は原発の電源構成比で、①原発をゼロ、②15%、③20~25%、の3案。この3案は総合資源エネルギー調査会で議論されたが、責見の対立で一本にまとめることが難しく、そのままの3案をエネルギー・環境会議に提示したものである。6月3日には選択肢の中間的整理を行ない、6月末に提示することになっていたもの。政府は、3つの選択肢を決めることで方向性を示し、その後に国民的な議論に委ね、8月末には一本化した最終方針を決める。
国民的な議論の方法も問題となっているが、政府の方針では、原発の廃炉を40年と規定しており、自動的に原発は2030年の時点で15%に減少するため、③案の15%案が現実的であるとの見方もある。
今後は広くパブリックコメントを求め、国民からの意見聴取会を全国11力所で開き、世論調査を行ない、これら意見を参考に政府か決定する。しかし、時間的に余裕がないため、国民投票を実施すべきとの案も出ている。政治日程も民主党での小沢問題の行方、消費税増税の議論も参議院で始まるなど、政局絡みの動きとなってくるため8月末の決定も予断を許さない。基本方針としては原発の比率を下げることになるが、使用済み核燃料の処理の方法(再処理/直接処分/並存)の核リサイクル政策に関する選択肢、コストなど
も含め、原発依存度との整合性も検討課題となるが、原子力委員会での議論も遅れている。
原発の依存度が減少すれば再生可能エネルギーが増加するが、そのコスト負担(固定買取制の実施、送電網の整備など)が問題となる。同じく火力発電が増加すればCO2削減
の温暖化対策(政府の25%削減の中期計画との整合性)への影響が出てくるが、今後は国民的な議論を経て決めることになる。
再生可能エネルギーは1日から固定買取制が実施となり、太陽光が1kwh当たり42円、風力が23・1円、地熱が27.3円でスタートした。関心が強まっているが、今後、送電網の整備などのコスト負担増など問題が山積している。買取価格も、結果的に電気料金の値上がりで消費者が負担することなり、ドイツなどでは後退する方向にある。
また、国民的な議論となると、国民感情からは選択肢の原発ゼロ案が台頭しそうである。ゼロ案では、心原発を廃炉とするため使用済み燃料を再利用せずに地中に埋めることになるか、その方法も決定していない。
再生可能エネルギーにはコスト蛸の間題が発生するが、原発の減少による火力燃料発電の増加で、LNG、『石油の調達コスト増加とCO2などの温暖化対策が問題となる。温暖化対策も中央環境審議会をも議論が進んでいるが、政府の25%削減の中期目標も決まっていない。
また、今夏の電力が不足するとみられることから、政府が現実な対応として大飯原発の再稼働を認め、1日から稼働している。反原発の講論運動が展開されており、この時期の
再稼働は、原発縮絨の方針とは矛盾するとの反発意見も多い。こうしたことから、国民的な意見を求めた場合、原発ゼロの意見が多数を占めることになる。