2012.07.06 のニュース
エネ研予測 下期原油 WTIは85ドル ドバイ98ドル、ブレント100ドルを見込む
日本エネルギー経済研究所は原油価格の展望について、今年下期(7月~12月)の原油価格は、WTIが85ドル/バーレル、ブレントが100ドル/バーレル、ドバイが98ドル/バーレルと予想している。
この価格水準は、今後の国際原油市場をめぐる様々な要因によって大きく変動する可能性がある。欧州経済問題の悪化に伴う世界経済の減速が予想以上に深刻化するようなことがあれば、足元の価格下落基調はさらに加速するとみている。
一方で、地政学的リスク要因が、さらに深刻さを増すようなことがあれば、原油価格が再び上昇基調を取り戻す可能性もある。今年下期の原油価格も引き続き、高い不確実性を伴った展開をみせることになる。
国際原油価格(ブレント、ドバイ)は、昨年初め以降、110ドル~120ドル/バーレル台を中心とする「高値安定圏」で推移してきたが、今年3月をピークに下落を続け、6月時点ではいずれも100ドルを下回る展開をみせている。
この価格下落の主な要因の一つが需給バランスの緩和である。供給側では、サウジアラビアやリビア、イラクといったOPEC産油国の増産がある。実際、リビアが内戦に陥った2011年4月から2012年5月にかけてOPEC全体では300万バーレル/日以上増産しており。これが世界的な需給緩和に大きく寄与している。
需給緩和に加え、足元の原油価格下落の要因となっているのが、ギリシャでの財政政策の動向や、国内の金融機関が巨額の不良債権を抱えるスペインなど、数多くの不確実要因によってユーロ圏経済の見通しに対する不透明さが増していることがあげられる。