2012.09.27 のニュース
厚顔EVリーフ支援は中止だ
環境性能に優れた新車の購入を促し、一定のガソリン燃費基準に適合した低燃費車の購入に対し、普通登録車なら新車購入時に10万円を補助する「環境対応車普及促進対策費補助金」(エコカー補助金)が21日、午後6時に終了した。予算総額2747億円を使い切った、という結果だ。2012年度は約288万台がこの補助金対象となった。
この補助金は09年度に導入され、1年間の措置を1年半に延長されて計5837億円が投じられ、約585万台がその恩恵に浴しているから、計8584億円、873万台が利用した計算となり、自動車業界の業績底上げに寄与した。
新車の導入支援策として、もうひとつある。今年度約444億円の政府予算が措置されている「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」(電気自動車等導入補助事業)であり、1台当たり100万円を上限に、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド自動車、さらに充電設備などの導入を支援するもので、まだまだ残高が多くある。
腹立たしいCMを流し始めたEVリーフの場合は、ここから78万円を上限に補助金が出る。このほか自治体単位でも追加支援が受けられ、例えば神奈川県ではEV250台に支援、リーフに対して別途39万円の導入支援が講じられている。
ガソリン車は燃費㍑14・2km、ガソリン単価148円として、月1万423円。EVリーフは電費kW時6km、電気代単価11・82円として、月1970円。このリーフというEVは丸1年間、「おトクなナイト8」で契約した電気でのみ稼働させるという。まず比較広告の前提が、公平な土俵とは言い難い。
さらに許容できないのは、このCMが既存ガソリン車の保有と稼働を通じた全方位での高負担によって、自らが扶助されているという姿を無視しているからにほかならない。このガソリン車ユーザーは、年845㍑のガソリン購入が前提となっているから、4万5465円のガソリン税を負担して、国の財政を支えている、還元すればリーフの導入支援に充てられている、という側面が完全に踏みにじられている。
優れた環境性能を誇り、それが進化し続けることはよい。ただし、補助金を受ける側が、それを支える側に不利益を与える。石油・ガソリンを傷付けている。こうした厚顔な輩に利する補助金は中止すべきだ。