日刊ニュース

2012.10.02 のニュース

増税はガソリン20Lで5円 ―ポスター作成で理解を求めるー

 石油連盟と全石連は共同で、10月1日からの石油石炭税の増税25銭/L(250円/KL)をユーザーに理解を求めるためポスターを作成した。SS店頭に掲示して理解を求めることになる。リットル当たりだと25銭であるが、「20Lでは5円の増税(値上がり)となる」。
 車への1回にガソリンの給油は平均で20LとみてPRしているが、実際のSS店頭での商売の単価は円/L単位であるため、1円未満(25銭/L)の小幅な増税分のユーザー転嫁は難しく、不可能となる。販売価格の計算処理は銭単位ではなく、円単位となっているため、ユーザーに転嫁する場合は、10月の仕切価格改定を受けて、値上げの場合は加算、値下げの場合は、値下げ幅を抑えることで調整することになる。理屈では、税金
の増税分は、ユーザーに転嫁すべきであるが、実際の商取り引きでは簡単ではない。販売業者サイドでは「ユーザー転嫁は難しく、業者が負担することになる」と不満が出ている。
 ガソリン市況は原油価格の変則で大きく変動している。みずほ総合研究所の調査では、8月初めは140円であったものが、9月24日には149円となり、この間で9円の値上がりとなっており、1週間では3円~4円の値上がりとなっている。それ以前の4月~7月は158円から140円と18円も急落しており変励が激しい。下落する場合も1週間で3円~4円の値下がりを繰り返しいるのが実態である。そのため25銭の増税分となると、市況変動の中では埋没することになる。
 一方、仕切価格は円/KL単位の取引きとなっているため、増税分の250円/KLは、加算されて請求、決済される。その結果、増税分は確実に徴収される。また、SS販売以外の大口向けはKL単位での販売となっているため、250円の増税分転嫁は可能となる。
 10月からの石油石炭税の増税は、環境省などの要請で、環境対策、化石燃料の消費抑制を狙って予算要求されており、暖化対策税という構想で出てきたものである。民主党の、CO2を90年比で25%削減するという中期計画に則ったものである。現在は、原発ゼロ推進を政府が決定したことから、この計画の達成が難しいとの見方が出ている。
 石油石炭祝は9月末が2040円/KLであったものが、10月から2290円と250円の増税、2014年4月から2540円に、16年4月から2800円となり、今後も段階的に引き上げられる。足かけ5年をかけて3段階で計750円(75銭/L)の増税となる。そしてその都度、同様の混乱が生じることになる。国は税収の増加で、予算を確保できるが、その犠牲は石油業界となる。とくに、販売業者の負担となる公算が強く、業者は増税の反対を要請している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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