日刊ニュース

2012.10.11 のニュース

増税転嫁は精販共通の課題

地球温暖化対策税が1日から導入された。石油石炭税に上乗せする形で導入され、言い換えれば石油石炭税の増税である。この増税はSS店頭での転嫁が極めて困難であり、未転嫁の場合、そのしわ寄せは販売業者に集中する。
 そもそも全石連・油政連はこの地球温暖化対策税の案が出た3年前から、「これ以上の石油増税は消費者の負担増に繋がる」として強硬な反対運動を展開した。
 09年に道路特定財源から一般財源化されたガソリン税、軽油引取税の暫定税率についても、廃止するはずだったが、財政難を理由に税率が維持されたままだ。「当分の間」というが、永遠にという説もある。
 このように石油製品には多種・多段階、巨額の税金が課されている。石油石炭税とガソリン税などとでは使い道が違うとはいえ、減税するはずが、逆にいつのまにか増税にすり替わり、結果的に消費者に負担を押し付けているのが石油の現実である。
 地球温暖化対策税はガソリンや軽油、灯油などの石油製品に対し㍑当たりトータル76銭を増税するものだが、その方法も問題だ。足かけ5年かけて25銭、25銭、26銭の3段階で小刻みに増税するもので、消費者への転嫁を担う販売業者として「せめて円単位で1回で終わるべきだ」と訴えた。しかし、国は「国民の負担を軽減するために段階増税にした」と受け入れなかった。消費者への転嫁を受け持つ販売業界の声はかき消されたといえよう。
 そもそも銭単位の通貨自体が流通していない中で、清算時に円単位以下の端数が出たら実際に回収することは困難である。「このくらいの増税なら、まけてくれ」というお客さんもいるだろうし、切りの良い額に上乗せしたら、たちまち「便乗値上げ」と批判される。
 一方の元売は、週決めの仕切価格に増税額を上乗せし、その額を特約店に請求するだけで転嫁が完了する。元売はその増税分を消費者に転嫁できなければ、その分はSSが小売マージンを削って元売に払うしかないことも十分認識しているはずだ。
 今後、同税の残り2回の増税に加え、その合間に2段階での消費増税が待つ。これらの増税ラッシュを前に、完全転嫁は石油業界共通の課題である。だからこそ元売各社は、この最初の増税転嫁を確実かつ円滑に実施できるよう、必要十分な配慮を行うことが求められている。

提供元:全国石油商業組合連合会
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