日刊ニュース

2012.10.24 のニュース

仕切価格、週途中での改定 ―業者、素早い対応を求められるー

 JX日鉱日石エネルギーが、仕切価格の改定方針を週決めに加え、週途中での改定を導入したことで、改定回数が増加、そのため販売業者の対応も素早さが求められる。週途中の価格改定は、EMGが外販のスポット価格で時折、実施しており、市況の変動が大幅である時は、早めに実勢市況に対応することしている。また、系列への通告が金曜日発表であるが、外販価格についてはこれよりも1日早い木曜日に発表している。結果的に各社の改定は、このEMGの外販価格の方針を見て対応して打ち出すことになっている。
 今回のJxエネルギーの週途中改定の導入は、これまでの週決めよりも期間を短縮して、コスト(原油価格など)、市況の変動を直ちに反映する市場形成を図ったものと見られる。最終的には日決めということになるが、今後、他社が追随するか否かが注目されるところである。
 Jxエネルギーの仕切価格改定の動きをみると、10月第1週の6日は据え置きとなったが、10日(水)から週途中の改定を導入して70銭/Lの値下げ、13日(土)から20銭の各値下げで計90銭の値下げとなった。次いで17日(水)に20銭の値下で総計で1円10銭の値下げとなった。20日(土)から1円40銭の値上げとなったことで、この間、値下げが1円10銭、値上げが1円40銭となり、差し引き30銭の小幅値上げとなった。
 一方、出光興産をみると、週決めであるため13日から1円60銭の値下げとなったが20日から1円50銭の値上げとなり、上げ、下げがほぼ同額で相殺されたことになる。
 このように仕切価格の変動が同額となったため、販売業者は対応が難しくなる。前週の仕切価格の値下げを受けて、末端市況を値下げしていれば今週は値上げて対応することになる。あるいは、前週の値下げを様子を見守り横ばいで対応していれば、今週の値上げと相殺され、そのまま据え置きで臨むことになる。
 今回、JXエネルギーのように週2回(水、土)に改定する方針に変わると、販売業者の市況対策も、キメ細かな取り組みに変化していくことになる。仕切価格の改定期間が短くなることは、小幅な変動が繰り返されるケースが増加するため、元売の動きや市況動向に対して、素早く対応する必要がある。
 これまでは金曜日に、土曜日~翌週金曜日までの一週間の改定幅を発表していた。仕切価格の改定は土曜日となるが、販売業者のユーザー転嫁は、価格改定の変動幅にもよるが、大勢は火、水曜日となる。値上げ局面では、SSのタンク内に安い在庫があるため、それを売り切ってから値上げすることになる。
 価格改定には周辺SSの様子をみるため、実際のユーザー転嫁は大幅に遅れることが通常化している。また、小幅な10銭単位の値上げは難しく、様子をみながら2円~3円の値上げまで待つことになる。SSでの取引きは円/L単位であり、何銭単位では行なわれていないからである。現に10月からの石油石炭税は25銭の増税が実施となったが、ユーザーには転嫁できず、販売業者が負担した形となった。
 しかし、今後は小幅な変動にも対応した末端市況の形成が求められることになり、販売業者も新しい対応策の検討が必要となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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