日刊ニュース

2012.10.24 のニュース

ガソリン市況下げ止め 仕切値上げで様相急変 ~下落状況下で対応に苦慮~

 ガソリンの仕切価格は、20日から1円40銭~1円50銭の値上げに転じてきた。9月末から値下げが続いたが、ようやく値上げとなった。末端市況はこれまで値下がり傾向をみせていたため、一気に値上がりさせるのは難しいようであり、販売業者も、まず下げ止めに動くものとみられる。
 一方、原油価格は小幅な変動を続けており、見通し は難しい状況にある。19日には2ドルの下落、これを受けて東京エ業品取引所のガソリン先物も値下がりしている。今週の値動きをみて、さらに仕切価格の値上がりが続くとなれば、ユーザー転嫁となりそうである。これまで下落傾向を強めていただけに、販売業者には惑いもあるが、仕切価格が値上げとなったことは、下落市況に歯止めがかかることになり好材料となる。
 一方、国内のガソリン需給は、販売が伸び悩み、元売在庫は220万KLで前年に比べると20万KLの高水準にあるが、需給が大きく崩れることはなく推移している。在庫は増加しているが、製油所の事故による停止や定期修理もあり、供給不足で輸入、市中買いに出るなど各社の対応にバラツキもあるが、需給は比較的安定している。しかし、販売不振、在庫増が長期化すれば需給バランスの崩れが懸念される。
 夏場ではエコカー補助金の支給で新車が増販となり、ガソリン販売も増販が期待されたが、思惑は外れて横ばいで推移している。補助金が打ち切りとなり、ガソリンも今後の低迷が見込まれ、SS経営が困難な状況となってきたことから、値下げして増販を狙う動きが出てきたが、今回の仕切価格の値上げで様相は急転してきた。  

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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