日刊ニュース

2012.12.05 のニュース

10月販売は11ヶ月ぶり減少 ―C重油増販も一巡、12月の灯油に期待―

 石油統計速報によると10月の燃料油販売は1578万KLで前年同月に比べ0.2%減となった。油種別ではガソリン、軽油が各1%の微増、C重油は11・5%増となったが、他油種の落ち込みで全体では11ヵ月ぶりの減少となった。前年は燃料油販売は0.3%増、C重油は50%増となっており、その反動減となった。
 9月までは10ヵ月迎続して前年を上回っており、ガソリン、軽油が微増、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、A重油、一般用C重油が減少となったが、電力用C重油は原発事故の影響で増販となり、その結果、燃料油全体では増販となっていた。
 因みに、4月~10月の販売を累計でみると、ガソリンが横ばい、ナフサが3・6%減、ジェット燃料油が8%減、灯油が4・2%減、軽油が2%増、A重油が4・4%減、C重
油が37%増となり、合計では3%増となっている。結果的には軽油が復興需要で2%増加、原発事故によって電力用C重油が増販となったため、燃料油全体ではプラスとなった。
今後、同様に推移するが、電力用C重油の増販も一巡するため、燃料油全体の販売伸び率は低下する。
 これから12月の需要期に入るためガソリン、灯油の動向が注目される。ガソリン販売は、横ばいか微増で推移しているが、年末、年始に向けて景気の回復による個人消費の伸びが期待される。帰省、レジャーでの車の利用増加、物流の増加による商業車の走行距離の増加などが見込まれる。だが、景気回復の遅れや、与野党混戦模様の衆議院選挙後の展開が読めず、直ちに景気が回復するとは考えがたい。選挙結果にもよるが、年内に組閣ができるか否か、また、予算編成が年明けとなるため、経済状況は混迷が続くのではないかという不透明さが残っている。
 12月商戦の動向については、ガソリンはレジャー、帰省での車の利用が注目される。だが、ここにきて末端市況が値上がりとなってきたため、高値感からの節約の浸透が懸念される。
 灯油は、12月の冷え込みが厳しいとの天気予報もあり、関東地区も大波が襲来したため増販が期待されている。在庫も前年に比べて、大幅に低いため、需給が締まり、値取りができそうである。灯油販売は、天候の後押しもあって、増販が見込まれている。スタートは暖かい日が続き遅れたが、厳寒によって減販基調を挽回する可能性が出てきた。
 軽油は、復興需要で微増が続きそうである。災害対策として補正予算が決まったため、追い風となる。しかし、景気が回復して物流が増え、全国的にトラック輸送が増加するな
ど、本格的な需要増には、まだ時間がかかる。
 電力用C重油は増販が続くが、元売の直売であるため、全体の製品需給に関係するが、供給面からみても各社にバラツキがある。電力会社への供給は、過去からの経緯もあり、比齢的民族系が強い。C重油の増販に対応するために増産体制となると、連産品であるガソリン、灯油などが供給増となり製品需給のバランスが崩れることが懸念されている。
しかし、C重油の増販が突出しているため、重油分の多い原油を処理・ながら不足分をLSC重油輸入でカバーすることで対応しており、需給バランスが崩れることはない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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