日刊ニュース

2012.12.13 のニュース

年始のための我慢の2週間

2012年。今週までの50週のガソリン小売価格は、激しい上下動という表現ではなく、連続値上げ、連続値下げばかりの1年であった。春先に7週連続値上がりによってピーク価格(平均157円)を記録した直後から、今度は14週連続値下がりに転じ夏商戦本番前に最安値(135・5円)を記録、今度は9月下旬まで7週連続値上がり、そして値下がりが11月下旬まで10週連続でストップし、年末に向けての2週連続値上がりで今日を迎えている。
 この連続値上がり、連続値下がりについて精査してみると、SS収益は値上がり局面でマイナスを多く抱え、値下がり局面では、収益が回復する傾向が見える。「上げは鈍く、下げは素早い」という激戦地の症状から、全国の市場性にも大きく左右される部分ではあろうが、一般論ではそうした傾向が鮮明に出る。
 その最たるものは08年10~09年1月に生じている。現在に通じる週決めSS向け卸価格体系の標準が導入されたタイミングだ。導入前の月決め標準だった9月小売価格はガソリン174円、灯油126円。これがガソリンは10月163円、11月136円、12月118円、1月106円と4ヵ月で68円の下落が生じた。灯油(店頭)は10月116円、11月91円、12月76円、1月68円となって、4ヵ月でほぼ半値となる下落を記録している。
 大幅下落の主因は、過去最高値の150㌦に迫った原油が40㌦割れへと大暴落したことにある。しかし週決めが標準化されたことで、SSの大暴落の被災者は相当、少なくなったように映るし、平均的なSS収益は、月ごとに拡大している。ベースにある原油の変動について、月決めプール卸のSS、日決め卸SSが混在する市場で、未曾有の原油急落局面では、指標なき値下げに踏み切らざるを得ない系列SSが多く生まれる。その結果、経営に深手を負う系列SSが多く出たであろうことは、想像に難くない。文字通りの価格乱高下が生じ、これ以降に、お客様の消費節約が顕在化した反作用はあった。
 残り2週間となった今年。ガソリンは小幅下げに転じ、ガソリン在庫は今年度最少に、灯油在庫も寒波の到来で急縮している。SS向け卸価格指標は、今週まで3週連続で値上がりしているが、それも今週末には転換する予兆がある。SSは我慢の2週間を過ごせば、良き新年となる。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE