日刊ニュース

2012.12.17 のニュース

ガソリン転嫁が遅れる-業者、未達を残し年末商戦へ- 

みずほ総合研究所の週動向調査(10日)によると、ガソリンは全国平均で147円20銭/㍑、前週に比べると40銭の値上がりとなった。2週連続の値上がりで、累計1円70銭の値上がりとなった。仕切価格は11月25日、12月1日からの累計で3円50銭の値上がりとなっているため、1円80銭が未達という計算となる。
 四捨五入では全国平均が146円(11月26日)であったため、10日の調査では147円となり1円の値上がりにとどまっている。この調査価格でみると、仕切価格の値上がりに対して大幅な未達となり、販売業者がコスト増を転嫁できずに負担していることになっている。次週調査(17日)の結果が注目されるが、すでに8日から仕切価格は据え置きとなっているため、大幅な値上がりは見込めない。だが、値上げしないことにはマージンが減少する。
 全国的にみると、値上がりは41ヵ所、値下がりが2ヵ所。横ばいが4ヵ所となっている。値上がり幅が大きいのは沖縄の4円10銭、福岡の1円60銭となっており、値下がりは香川の90銭、神奈川の30銭となっている。神奈川は前週が3円10銭の値上がりとなり、ユーザー転嫁をリードしたが、周辺の市況から上げ過ぎとみて、その反動から値下がりとなったようだ。神奈川は値上げも早いが、値下げも早いという市況形成が特長となっている。
 経済産業局別でみると、東北、関東が146円で一番の安値となり、九州が150円、中部が148円、他の局は147円となっている。11月末に比べると沖縄が4円、北海道が3円。関東、中部が2円、他は1円の値上がりとなっている。
 この調査価格は、あくまでも平均値の現金価格であるため、市況実勢よりも割り高となっており、東京は149円、神奈川が146円、千葉、埼玉が143円となっている。
 首都圏の街道沿いでみると11月はボトム価格140円前後であったものが、今回のユーザー転嫁で145円~146円と、5円~6円の値上がりとなっている。安値物も値上がりしており、今回の仕切価格3円50銭の値上げに伴うユーザー転嫁は浸透している。安値の量飯店では130円割れから1320円~133円へと値上がりしているが、依然として価格差は存在している。
 ボトムの目安である145円~146円ではマージンが10円程度であるが、これはSS経営の立場からすれば満足できる水準ではなく、さらにマージンの増加が望まれる。しかし、実態はフルサービスSSで7円~8円、セルフは5円のマージンとなっている。最低でも12円~13円、適正水準の15円は確保したいところであるが、価格競争が激しく、困難な状況となっている。
 12月はボーナスの支給時期であり、ガソリン、灯油の増販が見込まれるため増益を狙うチャンスとなっている。今回のユーザー転嫁は、年末に利益を確保した上で正月を迎えたいと足並みが揃ったが、まだ目標は達成していない。12月商戦は、これからが後半の追い込み時期となるが、増販を優先すると、価格競争から値下がりとなる公算が強い。ユーザー転嫁が浸透しつつあるが、灯油の増販でガソリンの需給が締まっているため、これからは適正マージンを追求すべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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