2012.12.17 のニュース
SS健全化のための公取調査
かつてSSと同様に出店規制があり、きめ細かく地域社会と密着していたお米屋さん。その全国組織の傘下の県組織は、いまや30都道府県をカバーする組織に縮小してしまっている。小売流通の大資本への集約化の過程で、商店街を構成し、ほぼ中小専業が担い手だった物販業が消えようとしている。
そんな業界では、窮状を訴えようとしても訴えようがない、意見を集約しようにも近くに窓口がない、県組織にも中央にも、そもそもそんな機能が消え失せてしまっている。そんな事業者団体が実は多い。特に中小専業・小売業の団体は、それが顕著だ。業況の著しい衰退という経営に起因する理由もあろうが、構成組合員の所属組織に対するマインド低下があるようだ。
SS至近にある組合支部、都道府県石商、そして全石連には、まだその機能が果たせる。
その機能が発揮され、政治が同調して行政に働きかけ、その行政が匿名保証で実施しているのが、現在、全国3300特約店と東名阪の石油商社・PB事業者を対象に行われている公取委による「ガソリン取引実態調査」だ。特定の業種に向けたこんな調査は異例中の異例だ。
地域の中小SSが困り果て、特約店が疲弊し、経営難で廃業が続出。その結果、過疎地などの安定供給に支障が出る恐れがある。この構図を全国組織に集約したのは、全石連ではなく、石商でもなく、実は個々の中小SSの悲鳴だ。
「透明・公正」を標榜してスタートした週決め・新仕切り体系が、幾度のモデルチェンジを経て、「不透明・不公平」と化しているのではないか。自身の仕入価格と同レベルの小売価格が商圏内に登場、「不当廉売」調査でも結果は「措置せず」の繰り返し。
元売・商社、系列・業転という流通経路。それらを取り巻く各種の契約。その結果生じる大きな卸価格差。これが中小SS経営を圧迫する実態の背景にあるのではないか。
地域で数少なくなった「生業」であるSSは、石油の力が欠かせない地域社会の中で、必要不可欠な施設である。しかし多くが弱り切っている。近くに強力な異業種SSがいない平穏市場であっても、これを傍観せずに、仲間を守るために参加しよう。それが自らを守るための道につながる。調査票に事実を記し、20日必着で投函しよう。