日刊ニュース

2012.12.18 のニュース

向こう30年の利権協定延長 新鉱区のヘイル油田に期待

アブダビ石油は、操業している既存3油田のムバラス、ウム・アル・アンバー(AR)、ニーワット・アル・ギャラン(GA)油田の30年の利権更新と新たにヘイル鉱区の取得、さらにアブダビ石油創立45周年を祝して、記念パーティーを10日に現地で開催した。記念パーティーには西アブダビ石油社長、コスモ石油からは岡部名誉会長。木村会長、森川社長、JXホールディングスの木村会長、JX日鉱日石開発の古関会長、平井社長らが出席した。
 新利権協定は、昨年2月に川名前社長と最高石油評議会(SPC)との間で調印されており、今年12月6日から向こう30年間の利権延長と、新鉱区(ヘイル油田)の追加取得で合意されている。
 戦後の石油開発は、昭和36年に石油鉱業連盟がアラビア石油、石油資源開発、帝国石油、北スマトラ石油によって設立されたのがスタートであり、海外ではカフジ、インドネシアで事業を展開、その後は事業拡大しているが、アブダビ石油は、元売企業として海外で初めての油田開発に成功したケースである。その後は旧三菱石油のベトナム、旧日本石油のマレーシア(ガス田)、出光興産の北海と続いている。
 アブダビ石油には、コスモ石油が63%、JX日鉱日石開発が31・5%、その他電力会社が出資している。創立は1968年1月17日で、民族系の大協石油、丸善石油(共に現コス
モ石油)と日本鉱業(現JX日鉱日石開発)の3社によって設立された。前年の67年12月6日付けの協定に基づきアブダビから取得した利権を譲り受けて68年2月から事業に着手、69年9月にムバラス1号井で成功(ムバラス油田と命名)、71年に開発に着手、72年4月にムバラス島基地建設、73年4月から生産開始、以降順調に生産している。同年6月には原油を積んだ第1船で日本に向けて出荷された。次いで79年4月には西ムバラス鉱区の利権協定を締結、同年8月にムバラス石油を設立、9月に西ムバラス鉱区を譲り受けた。82年6月にAR1号井の出油に成功、89年1月にAR1号井の生産を開始した。さらにGA油田も95年7月から生産を開始、06年にはムバラス石油を吸収合併して今日に及んでいる。生産規模は約3万バーレル/日。
 操業にあたっては、ゼロフレアリング(随伴ガスを油層に圧入しガスの焼却処理を行なわない技術)の導入、環境対策へ取り組みながら効率的な生産を行なっている。
 新規鉱区(ヘイル油田)は、既発見未開発の鉱区であり期待が大きい。さらに現在、保有している鉱区に隣接しており、既存の生産設備が活用できる利点もある。そのため、
生産に至るための期間も短縮できコストも抑えることができる。規模は現在操業中の3油田と同程度が見込まれており、生産開始後は収益拡大が見込まれる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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