日刊ニュース

2012.12.19 のニュース

2016年に2万B/D生産へ カナダオイルサンド開発に投資決定

石油資源開発は14日、カナダーアルバータ州Hangingstone鉱区でのオイルサンド開発事業に関する最終投資決定を行なった。
 現在、連結子会社JACOSが、同鉱区通称3・75セクション地域で、6000バーレル~7000バーレル/日のビチューメン(オイルサンド層から採取される超重質油)を生産している。これは共同事業となっており、JACOSがオペレーターとして75%の権益を保有し、残り25%をNexenが保有している。
 今回、11月にアルバータ州政府から開発事業許可を取得し、基本設計作業を完了したことから、2016年上期の生産開始に向けて本格的な開発作業に着手する。
 具体的には、初期開発において、2万バーレル/日規模のビチューメン生産を見込んでおり、これを3万バーレル/日規模に拡大する施設増設の決定は生産開始後に行なうことになる。生産期間は30年程度とし、既に3・75セション地域で10年を超える適用経験を有するStsam Assisted Gravity Drainage(SAGD)法を用いて操業することになる。
 同鉱区で生産されたビチューメンは、コンデンセート等の超軽質油で希釈し、重質油相当の希釈ビチューメンとして、主に米国の製油所に対しパイプラインを通じての販売を計画している。
 この事業の初期開発に関わる総投資額は約14億カナダト㌦を予定し、JACOS権益分(75%)として、約11億カナダ㌦(円換算で約900億円)となっており、自己資金と借入金で所要資金を賄う予定としている。
 なお、共同事業者であるNexenは、最終投資決定を2013年の第1四半期に行なうことを見込んでいるが、この事業の先行を認め、実施計画、および関連施設の仕様を承認しているため、JACOSは、直ちに作業に着手することが可能となる。
 ※SAGD法は5000㍍~1000㍍の水平区間を持つ井戸を5㍍の上下間隔で2本掘削する。その後、上部の井戸に高温高圧の水蒸気を連続的に圧入し、オイルサンド層内を加温させることによりビチューメンは流動性を得て、重力によって下方に流れ、下部の井戸から温水とともに地上に生産する採掘方法である。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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