2012.12.25 のニュース
12年~その価格の明細書
バレル106㌦で始まった2012年の中東産原油は、3月中旬に最高値124・6㌦、6月下旬に最安値89㌦を記録、昨日は106㌦とスタート価格に並び、最大で約36㌦の振幅を記録した。為替が影響する円建ては㍑52・2円で始まり、3月中旬に最高値64・5円、6月下旬に最安値45円。最大で約20円の振幅を示し、大きく円安に触れた分、昨日はスタート値よりも3・3円割高な55・5円となっている。
ガソリン卸指標の一つは、スタート117・8円、最高値133・5円、最安値114・4円、近況は122・3円で、スタート値よりも4・5円高。外観としては、最高値、最安値はいずれも原油の1週間後、さらに原油見合いでの卸高が、この1年で発生している。灯油に至っては、スタート67・3円、最高値77・9円、最安値59・1円、近況は74円でスタート値よりも6・3円高。需給の引き締まりを反映して、現況は原油見合いでの大幅卸高が発生している。10月に0・25円の石油石炭増税があったが、これでは到底、説明できない元売収支の良化の形跡が残る。
我々の宝である小売価格は、これまで見てきた原油、卸と同様に消費税抜きで表記してみると、スタート値は136・4円、最高値は原油から2週間後、卸からは1週間後の4月1週の150・8円、最安値も同様のタイミングの7月2週の132・8円、近況は140・4円だ。スタート値と比較して3・8円高にとどまり、卸見合いでは、0・5円のSS粗利の減少が浮上する。灯油は84・9円で始まり、高値93・5円、安値83・9円、近況は88・4円で、スタート値比3・5円高。卸見合いで2・8円もの粗利減が生じている。寒波でも、需給引き締まりでも、SSはそれを追い風に出来ていない。経営的には惨敗である。
SS粗利動向を精査してみると、原油・卸高による連続値上げの過程で、必ず小売転嫁には遅れが生じている。2月中旬~4月上旬の7週連続値上げの際に1・1円、8月上旬~9月下旬の7週連続値上げでは1・8円のガソリン粗利悪化が生じている。近況も12月に入っての3週連続値上げで転嫁の周回遅れに直面しており、特に上げ幅が大きい灯油の粗利縮小が目立つ。上昇一途、続落という症状が相場に出現するケースが多くなっている昨今、思い切った迅速な経営判断が課題だ。