2013.01.15 のニュース
灯油増販で値上げが浸透 -ガソリンもユーザー転嫁成る-
ガソリン、灯油の末端市況が値上がりしている。厳冬による灯油の増販により。需給がタイトで推移しているため、灯油高がガソリン市況にも好結果をもたらしている。
みずほ総合研究所の週動向調査(7日)によるとガソリンの全国平均は149円/㍑で前週に比べると1円の値上がりとなった。東京は150円。神奈川が147円、千葉は144円と地域格差があるが、前週に比べて値上がりしている。
軽油も平均では129円で1円、灯油もSS店頭が96円で2円、配達は102円で1円の値上がりとなった。ガソリンでみると11月26日が146円であったため、1月初旬までで3円の値上がりとなった。この間、軽油は3円、灯油は5円の値上がりとなっており、仕切価格の12月の値上がり分と、ほぼ同額となり、ユーザーに転嫁したことになる。
例年、12月商戦ではガソリン、灯油の増販を狙い、市況が下落するところであるが、今年は仕切価格が値上がりしたこともあり末端市況は値上がりした。ガソリン販売は減販が予想されたが、横ばいで推移しており、正月休みが長期の休みとなったことで車の利用が増加するなど、ガソリンはまずまずの販売数量を確保したようだ。
首都圏では、ボトム147円以上を目安に市況対策に取り込んだ。145円に止まる地区もあったが、市況は下落することなく、安定したまま新年を迎えた。セルフの安値は140円割れも散見されるが、140円台を維持している。
今後の見通しは、例年2月に入ると減販となるため、市況維持が難しくなるとの見方もあるが、為替が円安に振れており、原油価格も値上がり基調が今後も続くことが見込まれ
るため、市況は維持されそうである。
灯油商戦は、増販と値上げが達成されており、現在までは順調である。11月~12月は冷え込みが厳しかったこともあって増販となっており、1月に入っても、厳冬が続いている。
とくに日本海側は、寒波と積雪でローリーの運行が難しく、供給の停滞が懸念される地区もある。
今冬はシーズン入り前から低在庫で臨み、需給はタイトで推移した。その結果、先物、業転市況は値上がり、12月の仕切価格は平均で5円50銭の値上がりとなった。ガソリンは2円50銭に止まっているため、灯油高の価格体系となっている。先物は灯油80円に対してガソリンは72円となり、その価格差は8円と拡大している。例年、冬場は、灯油高となるが、今冬はり価格差が大きい。それだけ灯油の需給が締まっていることになる。各社が、在庫を抑えて需給調整に努めたことが功を奏したことになるが、シーズン前の長期の天気予報では暖冬であったが、これが厳冬に変更となり、予想以上の寒波が続き増販となったことで、値取りができる環境となった。
その結果、灯油が値上がりとなったもので、輸入しても採算に乗るため、輸入を手がける動きも出てくる。ただ、灯油のシーズンは2月までとみられるため、輸入した時点で採算に合う国内市況が形成されているかとなると難しいところである。各社の判断に委ねられるが、今後の天候次第で左右されるため、厳冬が続くとみて玉を手当てするか否か、これからが勝負時となる。