2013.02.15 のニュース
ガソリン155円相場が浸透も ―円安値上げ、地域格差が残るー
ガソリン市況は155円/L相場が浸透しつつあるが、セルフ(量販店)では145円が散見されるなど10円の価格差が生じている。結果的には、セルフは都心に少なく、郊外に多いため地域価格差となっている。さらには、業転市況と系列仕切価格との価格差5円程度が存在していることが、価格差を拡大させる要因となっている。価格差が長く続くと安値に収斂することになる。
量販店は、安い業報を手当てして低マージンで販売するため、フルサービスSSに比べると安値で販売することが可能である。ある程度の地域価格差は、容認されているが、値上げ時点では、セルフが遅れるためバラツキが生じる。業転市況と仕切価格との価格差は、ブランド料であり、系列特約店からは、ブランド料の引き下げ要請がでているが、この問題は解決することなく対立が続いている。公正取引委員会が実態調査を行なっており、価格差を公表することで元売に是正を求めることになるが、価格問題は個別の商取引きとなり当事者間の問題となる。
元売に対抗するには業転玉を手当てするしか方策はないが、元売との関係を断つにはリスクを伴うため難しい選択となり、不満を抱えながらも特約契約を続けているのが実態である。また、業転玉では現金決済となるため運転資金も必要であり、市況の変動が激しいため必ずしも安値とはならずに、販売のタイミングを失うと損失が発生することもある。常に業転市況をチェックする必要があるため簡単ではない。
ここにきて2日、9日からガソリンの仕切価格は2週連続で累計4円50銭の値上げとなったため、ユーザー転嫁は1月末からは5円以上となっており、今週の末端市況は152円から155円に値上がりとなっている。しかし、会員価格は2円~3円安の152円~153円という価格を表示しているSSもある。実売価格は表示価格に比べて安いという実態であり、二重価格となっている。
仕切価格は連続値上げとなっているが、一連の値上げは円安によるコスト増の転嫁となっている。原油価格の値上がりに、円安によるコスト増が加わったことが主な要因だが、間もなく灯油シーズンが終了するため、灯油の値上げ分を抑え、その分ガソリンに上乗せして値上げしている。「灯油高のガソリン安」からガソリン高に移行する形で、ガソリンの値上げ幅が大きくなっている。
先物でみると足元はガソリンが79円/認、灯油は80円で灯油高となっているが、4月限ではガソリンが80円で灯油が79円となっており、灯油安に逆転した価格体系となっている。連日の冷え込みで灯油販売は好調であるが、シーズンヤマ場は2月末までであり、3月となると在庫調整の時期となるため、販売は落ち込む。
そのた吹値はガソリン販売が主となり、元売も市況対策に取り込むこととなる。このところ円安によるコスト増の転嫁となっているため、ユーザーの理解を得ることが難しく、販売業者も対応に苦慮している。為替は1月の82円/ドルから、現在93円へと円安が進行している。先物の原油価格は1月の60円/Lから足元は68円へと8円の値上がりとなっている。円安により円/L換算でガソリンが値上がりしている。