日刊ニュース

2013.02.20 のニュース

12月決算 減益も前年が在庫評価益で ―13年はマージン確保で増益を予想―

 12月期決算が発表され、昭和シェル石油の営業利益が146億円。経常利益が126億円で前年比491億円の減益となった。東燃ゼネラル石油は、営業利益が273億円で前年比1899億円の減益、経常利益が225億円で1950億円の大幅減益となったが、前年が在庫評価益が発生したための反動であり、在庫の影響を調整すると増益となる。また、期中の原油価格が乱高下したこともあり、石油製品マージンが減少したが、10月~12月は寒波の襲来が早く、灯油が増販、マージンが堅調で増益となった。
 2012年の原油価格(ドバイ)の動向をみると1月の年初は105ドル/バーレルであったが、3月~4月は120ドル台に値上がりした。その後、急落して6月には90ドルを割り込んだが、9月には115ドル、10月は110ドル台を維持して105ドル~110ドルで推移、年末には107ドルとなった。その結果、2012年の原油価格の平均は109ドルとなり、前年の106.30ドルに比べると2.70ドルの上昇となった。為替は平均79円80銭/ドルで前年と同値となり、平均値では為替の変動はない。しかし、年末の安倍政権の発足を機に、為替は87円と円安となり、足元は93円程度で推移、円安が進行している。原油価格も平均値では小幅な変動にとどまったため、在庫の影響が少ない。
 昭和シェルの経常利益は126億円となったが在庫評価の影響が15億円あり、これを除く経常利益は112億円となった。営業利益は146億円であるが、セグメント別の営業利益は石油事業が281億円となったが、エネルギーソリューション事業(太陽電池事業)は154億円の損失となった。だが、10月~12月では、初めて太陽電池事業が2億円の黒字となっており、2013年では黒字転換が見込まれている。
 2013年の通期見通しは、連結経常利益は450億円(うち単体の昭和シェルが320億円)、純利益は260億円(単体は190億円)で増益を見込んでいる。前提は原油
価格が106ドル、為替が84円の水準を見込んでいる。この水準で推移すれば在庫評価の影響はない。
 東燃ゼネラルの2012年通期決算の営業利益は273億円、経常利益は225億円となった。営業利益の内訳をみると在庫評益が44億円。のれん償却が85億円あり、調
整後の営業利益は314億円となる。うち石油事業が315億円の利益、石油化学事業が1億円の損失となっている。
 一方、2011年の営業利益は2162億円であったが在庫評益が1891億円あり、これを調整すると271億円となっているため、比較すると43億円の増益となる。決算の数字上減益であっても、在庫の影響を調整すると増益となる。
 石油事業の営業利益315億円(2011年が241億円)は前年比で74億円の増益となる。マージン減で63億円のマイナスとなったが、数量で1億円増、経費で18億円増、EMGマーケティングからの利益が11億円増で相殺すると74億円の増益となる。
 2013年の見通しは営業利益が430億円、のれん償却が170億円、調整後の営業利益600億円(2012年が314億円)を見込んでいる。内訳は石油事業が500億円、石油化学が100億円となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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