2013.02.27 のニュース
灯油仕切下げで調整局面に ―ガソリン高の灯油安に誘導―
灯油の仕切価格は、23日から値下げとなった。円安値上げが続いたが、為替が93円/ドル台の横ばいで落ち着いてきており、原油価格も値下がり傾向となってきたためである。ガソリンは、据え置きから70銭/Lの値上げとなったが、灯油は約1円~2円の値下げとなった。灯油販売は、冷え込みが続き好調であるが、シーズン終了に近づいたこともあり調整局面に入った。
東京商品取引所の先物市況はガソリンが79円、灯油が77円となり「ガソリン高の灯油安」の価格体系に変わってきた。4月限ではガソリンが80円、灯油が76円となっている。灯油シーズンの最盛期である12月末はガソリンが69円。灯油が78円の灯油高となっていたが、足元では灯油安となってきた。
例年2月末になると灯油は値下がりするため、これからはガソリン高の灯油安となる。今後も東北、関東地区は冷え込みが続くが、関西以西は気温も上昇するため。販売数量は落ち込む。
2月初めには暖かい日が続いたこともあり、一時出荷が鈍ったが、その後は冷え込みが続ぎ、再度、出荷が伸びている。元売は3月末を目安に在庫調整に入り、最も低い水準まで引き下げる。大手の灯油販売業者は3月末で在庫を減らして、不需要期入りに備えることになるため、これからが在庫調整のヤマ場となる。3月末で在庫を多く持ち込めば、今
秋の需要期まで荷動きはなく、在庫を維持するためのタンク料、灯油代金の負担などでコスト増となる。来シーズンの灯油価格が足元の価格を上回るとの確約もないため、在庫を持つことはリスクを伴う。
石連週報の元売在庫(16日)は、218万KLであるが、3月末には190万KL台まで引き下げるものとみられ、冷え込みが続けば需給はタイトな状況どなる。その際、雪積などでローリー輸送に支障があった場合、一時的に供給不足となるが、短時間で解決するため供給面での問題はない。
灯油は今後も値上がりが懸念されているが、これは円安によるものであるため、為替が94円台からさらに円安に移行することになれば値上がりする。円安値上げについては販
売業者もユーザー転嫁に苦慮しているが、厳冬となったことから需給がタイトで推移したため、ユーザー転嫁は浸透している。シーズン入りと同時に灯油は値上げ局面となったが、灯油の値上げ幅はガソリンに比べて大幅となり、灯油高の体系で推移した。昨年12月~1月のJX日鉱日石エネルギーの仕切価格(平均)。は、灯油が10円80銭の値上げに対して、ガソリンは4円90銭で、灯油の値上げ幅がガソリンに対して約6円上回っている。
2月に入って、ガソリンに比べ灯油の値上げ幅が小幅となっており、23日からは灯油が値下げとなってきた。今後も灯油は値下げ、ガソリンが値上げ基調で推移することになる。
灯油の末端市況は、SS店頭は100円/L台(18Lで1800円以上)、配達は110~120円(2000円台)となり、高値感によってユーザーからも反発が出ているが、今回、仕切価格が値下げとなったことから、末端市況の値上がりにブレーキがかかったことになる。