2013.03.14 のニュース
本当の内需減時代に入った
石連週報によるこの2月のガソリン出荷量は、前年比13%減という大不振な数字を示した。前年はうるう年の29日間で、今年は28日間と1日減っていることから、3%強の減少率はうるう年に起因するものだ。それを差し引いても10%減という数字となる。最近のデータで、10%を超えるマイナスを記録したのは過去5年間で6回だ。
その内訳は、2008年3月=11%減(エネ庁統計では13%減)、同年5月=12%減(6%減)、同年8月=11%減(13%減)、09年4月=17%減(20%減)、11年4月=11%減(10%減)、同年9月=11%減(5%減)。
その背景には、ガソリン暫定税率の期限切れ直前の08年3月、復活の5月、さらには09年4月は前年が期限切れ当月だったという構図があり、この3回に関しては大きな価格変動に要因を求めることができる。08年8月も150㌦に迫る過去最高値原油の影響で、全国平均ガソリン小売価格も182円という超高値に跳ね上がり、夏商戦本番を凍らせたシーズンだったから、高値が消費節約を招いた結果といえる。
この4回に関しては、その翌年はいずれも大幅増を記録していることからも、大きなマイナスの大勢が、こうした特殊要因に求めることができるだろう。東日本大震災と原発事故で、文字通り列島経済がフリーズした11年4月も、この特殊要因に組み込むことができるだろう。11年9月は紀伊半島南部の大水害をはじめ、度重なった台風襲来という自然の猛威の痕跡が残る。いずれも高価格や自然の猛威といった理由が浮上するのだ。
この2月も12週連続値上がりのピーク価格156・2円が月末に出現し、さらに北日本の記録的な降雪・積雪量という自然の猛威が発見できる。しかし、過去6回の内需の減退と比較すると、価格は08年8月よりも25円安く、好天に恵まれた大市場の太平洋側の外観からは、その度合いは低いと言わざるを得ない。
しかも内需の近況は11~2月に4ヵ月連続のマイナスを記録し、減少率がじりじりと拡大してきている。必ずしも出荷量=内需という公式ではないが、ほぼ見合いの数字になる。多少、地域による減退の濃淡はあるのだろうが、統計が示す事実は、全国的な本格的な内需減退が、ついに我々SSの前に、等しく姿を現したものと受け止めるべきだろう。