日刊ニュース

2013.03.19 のニュース

JXの週中改定に賛否両論-市況対策には影響大との見方も-

JX日鉱日石エネルギーが実施している週中の仕切価格(先行指標)の改定方式が、販売業界で問題となっているが、賛否両諭があり平行線を辿っている。これまで、元売の仕切価格の改定は週決めで実施(土曜日から)されていたが、JXエネルギーは一週間のうち水曜日と土曜日の2回にわたって改定している。週中での仕切改定はEMGマーケティングの外販向けでも実施されており、業転市況に連動している。JXエネルギーも市況(業転市況など)に連動する形で週中に仕切価格の改定を実施しており、より市況実態を反映したものとなっている。
 JXエネルギーのガソリン価格の例でみると、これまで値上がり局面であったが、水曜日には業転市況との調整で値下げ、土曜日からは水曜日を上回る値上げを実施している。相殺すると実質値上げとなり、他の元売の値上げ幅と、ほぼ同額の仕切価格改定となっている。水曜日から土曜日の3日間は、値下げ(安値)となることで、ここで市況を維持すれば系列の販売業者はマージンが確保できる計算となる。そのため、値下げ期間のオーダ-が集中する現象も生じている。週中での仕切価格の
値下げは、これを活用すればコスト減のメリットがある。
 しかし、一般の販売業者からみると、仕切価格の値上げを受けて市況構築に取り組んでいる最中に、一時期であるが仕切価格が値下げされるのは、市況対策にマイナスになるとの不満が出ている。他の元売は、従来通り週決め(土曜日改定)を実施しているため、違和感も強い。
 週中で下げ、週末で上げの状況が続きながら、結果的には値上げとなって推移したことになるが、短期間に仕切価格が改定できれば市況を反映するメリットが生じるため、週中改定には賛成との販売業者もいる。この問題はJXエネルギーという元売系列内の問題となるため、他系列の販売業者が注文をつけても門外漢となるが、市況対策からみると反発が出るのも当然である。
 ちなみにJXエネルギーの仕切価格改定の動きをみると、2月13日(水)から1円20銭/㍑の値下げとしたが、16日(土)からは3円の値上げとなった。相殺すると1円80銭の値上げとなる。他の元売は、16日から週決めの改定で、出光興産が1円70銭、EMGが1円80銭、昭和シェル石油が2円20銭の各値上げとなっている。このようにみるとJXエネルギーの改定幅は、相殺して土曜日からと算定すると各社の週決めの
改定幅と、ほぼ同額となる。同じく次週でみるとJXエネルギーは2月20日(水)から1円30銭の値下げ、23日(土)から2円値上げした。相殺すると70銭の値上がりとなる、この期間、出光、EMGは据え置き、昭和シェルが50銭値上げとなっている。さらに、JXエネルギーは2月27日から2円20銭の値下げを先行して実施、3月2日から40銭の値上げとなった。相殺すると1円80銭の値下げとなる。出光が1円50銭、昭和シェルが2円10銭、EMGが1円80銭の値下げとなり、ここでもほぼ同額となっている。
 今後も同様に週中、週末という2通りの方式で仕切価格の改定が実施されるが、これまで再三改定を繰り返してきたように、誰もが満足する価格決定方式はない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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