日刊ニュース

2013.03.26 のニュース

量販セルフより優先すべきは

98年4月のセルフ解禁から15年。フルとセルフの棲み分けは当初からの関心事だったが、いまもって帰結には至っていない。量販フル対セルフ、セルフ対セルフ、量販フル対量販フルが混在し、低マージン指向が常態化してしまった。消耗戦は、資本力の大きい者に分がある。
 セルフ解禁初年度は全国計85ヵ所でスタートし、以降10年間は急ピッチで増加。3年後に1千、4年後2千、5年後3千、6年後4千、8年後6千、9年後7千、11年後8千ヵ所の大台を突破した。00~09年度の年平均増加数は800ヵ所弱だったが、10年度以降は急速にペースダウン。過去2年は150ヵ所ペース、今年度も上半期末時点では110ヵ所増の8700ヵ所だから、年度末でも9000ヵ所には届かないか。ただし、フルを含めた全SS数は減少一途なので、セルフ比率は23%程度へと高まった。他方、地域差も最大で3倍近い。
 11年度決算期の石油協会経営実態調査からガソリン販売量をみてみると、セルフはハイオク26㌔㍑、レギュラー168㌔㍑の計194㌔㍑、フルはハイオク6㌔㍑、レギュラー46㌔㍑の計52㌔㍑。3・7倍差もある。レギュラーを「フルよりも1・2円安く仕入れ、5・2円安く売ることで量を捌く」のがセルフ、「粗利4円高で採算を重視する」のがフルの実態と出ており、灯油販売量でさえセルフがやや勝っている。
 今期は販売量格差が一層広がったとの見方もあって、一握りの系列業者に対して格別の多様な支援をしていると考えざるをえないような小売価格が現に存在し、それが長く続いていることに多くの系列SSが不信を高めると同時に、商売上の実害を受けている。特に、同系列内SSからの実害を被っていることがやるせない。
 元売は、系列業者の苦渋を知っているはずだが、競争力強化の方向性を量販セルフに著しく傾け、他系列強者との乱売合戦を自ら誘発していると映る。これが、採算販売を生きる術とする地場中小SSに、とんでもない悪影響を与えている。すっかり定着したセルフの存在を否定するつもりは全くないが、不毛な業界内部留保の吐き出しはなんとももったいない。エネルギー基本計画の再見直しが始まった。いまこそ精販が結束し、力を貯め、石油の位置付けを高める共闘を前進させよう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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