日刊ニュース

2013.04.09 のニュース

アベノミクス+高速1千円

 経済とは恐らく、ヒト、モノ、カネが動くことを指すのだろう。これらの流動性が高まれば、経済が活性化するということになるのだろう。
 カネの流動性を高める日銀の「次元の違う」アナウンスによって、株高と円安が再加速し、凍結していた消費者心理は、間違いなく改善方向に向かっているようで、経済活性化への期待感は高まるばかりだ。しかし、円安による輸入エネルギーコストの大幅上昇など、現実に起こっている反作用を軽減するためにも、可及的速やかに、ヒトとモノに対する手当てが不可欠であろう。特に地方生活者の視点で実感できる浮揚策が必要だ。
 ヒトの動きを促進することで、地域の活力を復活させる取り組みについて、SSが重要な役割をかつて果たしたことがある。東海地方で行われた観光キャンペーン「動く!」では、JR駅のイベントやポスター、新聞広告とともに、発地・愛知県のSSを訪れたドライバーに、着地・岐阜県内の観光情報満載のクーポンを配布した。キャンペーン後の広告代理店の実証結果報告では、認知経路としてのSS店頭が高評価を得、SSで配布されたクーポンの利用率が最高だった。
 ヒトが動く場合、公共交通機関よりもクルマ利用が多いこと、SSで配布されたものは、そのままクルマ内にとどまることで、ヒット率が高いことなどが理由として解析されたが、ヒトが動くことと、クルマが動くこととが、ほぼ同義であることを見落としてはならない。
 地方の経済において、観光関連産業は文字通りの地場産業であり、ここが活力を得れば、地方でもヒト、モノ、カネの高流動性の恩恵が得られる。都会から地方へという流れとともに、地方から都会へという双方向で活性化するのだ。
 高速1千円上限政策は、そのための要諦だ。次世代車へ向けた補助金は、購入者とクルマ関連メーカーには朗報だろうが、その恩恵は極めて限定的だ。こうした政策支援も基幹産業の下支えという意味では必要なのだろうが、高速1千円上限政策は、それを起点に、ヒト、モノ、カネの流動性が全国津々浦々で高まるだろう。エネルギー供給や安全走行をサポートするSSばかりでなく、8千万人ドライバーばかりでなく、観光地ばかりでなく、発地から着地に至るロードサイド事業者を巻き込んでいくだろう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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