2013.04.10 のニュース
仕切価格据え置き続く ガソリン市況維持に努める~再び円安で仕切値上げも~
ガソリンの仕切価格は、据え置き、小幅な上げ下げが3月から続いている。そのため販売業者は末端市況の維持に努めているが、業転市況は下げ基調となっており対応が厳しい状況にある。石油情報センターの週動向調査(1日)は、全国平均が155円/㍑となり、前週に比べると1円の値下がりにとどまっている。東京は156円、神奈川は153円、干葉は152円となっており、150円台に乗せている。業転市況は130円、先物も75円~76円(ガソリン税込みでは約130円)と系列仕切価格に比べると安値で推移している。街道沿いSSでは末端市況が下落しており、150円を維持しているSSもあるが、HC、量販店は145円を割り143円程度となっている。仕切価格が据え置き~小幅な値下がりとなったことに加え、販売数量が落ち込んだことから下落傾向を強めている。前週の原油価格(ドバイ)は105㌦~107㌦/バーレルで推移、為替が97円/㌦と円安となっており、円建てでは値上がり気味であるが、大きな変動はない。
日本銀行による金融緩和策の打ち出しを機に、為替
が再度円安に動いているため、円建ての原油価格は流
動的となってきた。ドル建ては値下がりとなったが、
為替が円安となりコストは値上がりとなる。
販売業者も今週の原油価格の値動きをみながら、元
売の仕切価格改定を参考にして対策を検討することに
なる。
現在の末端市況の下落は、量販店が先行して値下げしていることが要因となっている。その背景には業転玉と系列仕切価格との価格差拡大があるため、販売業者は是正を求めている。価格差は5円~6円あり、仕切価格にブランド料を上乗せしていると業者は反発しているが、元売はブランド料を否定しており、水掛け論で終わっている。だが、現在の値決め方式からみると価格差が存在することは事実である。
業転玉の手当による安値販売を不当廉売、差別対価と公正取引委員会に申請しても、違反行為に該当しないとされているため、販売業者も打つ手がないのが実状である。
そのため、小規模の系列SSは価格競争に敗れて廃業に追い込まれているが、改善の方策は見当たらない。値上げ局面では、価格差は圧縮されるが、値下がり局面では価格差が拡大することになる。