2013.04.11 のニュース
系列SS減販とマージン減で苦戦-市況下落で元売の支援求める-
ガソリン販売は減少している。加えて市況が下落しているためマージンが減少しており、SS経営は厳しくなっている。販売数量の減少の要因は、①省燃車の普及、②若者のクルマ離れ、③ガソリン価格の高騰による節約の浸透、④景気回復の遅れ、などマイナス材料が重なっている。
ガソリンの販売動向をみると、昨年は猛暑によるカークーラーの使用増、エコカー補助金の支給による新車の増販もあり、ガソリンの年間販売量は微増となった。だが、昨年12月が前年同月比で2・3%、今年1月が2・7%、2月が6・7%の各減少、3月も3%程度の減少が見込まれている。昨年2月は閏年であったため、日数が1日多く3・7%増となったが、その反動で今年は大幅な減少となっており、1日分を調整しても販売数量は減少している。
ガソリン価格は石油情報センターの調査(1日)では全国平均で155円/㍑となっており、前週に比べると1円値下がりしたが、150円を超えると高値感からユーザーが節約志向となり減販となる。1回の給油は満タンにせず、節約して買い控えするケースが出ているように、150円を超えるとユーザーが節約に動くことが定説となっている。そのため首都圏の街道沿いSSでは150円割れが増加しており、マージンが減少しているためSS経営は一段と厳しくなっている。
ガソリンの仕切価格は、昨年12月から2月までは平均で約10円/㍑値上げとなった。3月に入り第1週から値下げとなったが、中旬には再び値上げとなったため、平均では小幅な値上げとなっている。4月は据え置きと、小幅な上げ下げとなっており、仕切価格は維持されている。しかし、末端市況は3月初めの仕切価格の値下げを受けて下落した。仕切価格は、横ばいであるが末端市況が下落していることで、販売業者のマージンは減少してきた。
末端市況の下落は、販売数量の減少から価格競争が展開されているためであるが、一方では、販売減による需給の緩和で業転市況の値下がり、HC、量販店が値下げ攻勢をかけていることも要因となっている。系列SSも、対抗するため値下げに追い込まれており、この状況が続けば系列SSは赤字経営となる。そのため、元売が3月期決算の期末で支援するのではないかと販売業者は期待している。
過去においては、期末に経営難となったSS(販売業者)に対して支援策が講じられていたが、新体系に移行してからは行なわれていない。だが、HC、量販店の安値攻勢からみて、系列仕切価格と同値の販売価格が、表示されていることから、安値の業転玉が出回っており、系列SSに不利な状況となっている。そのため、販売業者は価格差の是正を元売に求めている。
HC.量販店は業転玉を安値で仕入れ、値下がりして販売しているため大幅な価格差が生じてきた。系列SSも対抗して値下げで応じているが、業転の値下がりに対して仕切価格が据え置きとなっているため、業転を上げるか、仕切価格の値下げを求めている。だが、販売減で需給が緩和しているため業転市況の値上げは難しく、仕切価格の値下げか、これに替わる支援策を販売業者は期待することとなる。