日刊ニュース

2013.04.15 のニュース

大きな卸価格差の終着点

 SS総数の減少が続く中、元売の系列マークを掲げないSSはじりじりと増えている。PBとは言い難い勢力を有するJA系を除いても、ある資料によると、PBは過去5年間で4162ヵ所から、昨年の3月末時点で5477ヵ所へ、実に1315ヵ所増えたという。PBシェアは9・5%から14・5%となり、JXエネに次ぐ第2位勢力となる。
 現在の元売首脳がまだ若手と呼ばれていたころの国内SS業界。石油業法による生産指導・割当、事前相談や指定地区などのSS建設規制など、多くの行政指導が残り、元売系列の外側で、SS小売業を営むことが困難だった。それがどうだろう。今日では大勢力を含め、多くのPBが小売市場の大きな部分を占めるようになった。自由化の中で、元売の系列支援・強化政策の外側にあった部分の成長力が大きくなった最大の理由は、割安な仕入れと単位コストの最小化にあったのだろう。本拠地では元売マークを掲げながら、県外にはPBで進出する事例も多く出てきた。
 5年前の県別数は、多いほうが①熊本②愛知③福島④青森⑤大阪、少ないほうが①滋賀②鳥取③富山・奈良・佐賀-だったが、5年後には、多いほうが①愛知②熊本③福島④兵庫⑤静岡、少ないほうが①滋賀②鳥取③香川④石川・奈良となった。この間、ほぼ全県で増えているが、5年間の増加数が多いのが①静岡②和歌山③栃木・茨城⑤岡山。
 ここで注目したいのが、そのシェアの増え方だ。8年3月末と12年3月末の県別シェアは、12年3月末の高い順に、①和歌山15・8%→30・3%②青森21%→26・9%③宮崎16・1%→25・1%④熊本19・1%→24・9%⑤福井17・7%→23・8%-という具合だ。このほかPBシェアが大きく伸びた県として、山梨、岡山、徳島、高知、佐賀、沖縄などがある。これらの県のSS小売業の方々は理解できると思うが、ほぼ間違いなく、廉売で価格競争を誘発するPB事業者がおり、彼らの成長が著しい地域であろう。
 PBの調達元である業転市場向けのウエートを高める一方の元売は、想像してみるとよい。PBシェアが高まり、その終着点として、系列SSゼロの世界を。系列仕切りを少し割安にすると、必然的に業転は、それに倍する値上がりとなろう。そうした、さじ加減が系列支援として求められているのだ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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