2013.04.15 のニュース
ガソリン減販で需給緩和見通し下回る販売減~定修前の増産で供給増も~
現在、ガソリン販売減が続いており、各製油所が定期修理に入るため減産となるが、全体的には緩和気味となっている。定期修理前に在庫を積み増ししている会社もあり、今後は減産となるが、足元は販売減が先行しているため、供給増となっている。ガソリン販売は前年比で3%減、また、見通しより下回っていることから、元売は販売シェアを維持するために販売攻勢をかける必要がある。一方、為替は99円/㌦と円安が加速しており、原油価格(ドバイ)が104/~105㌦/バーレルとなり、円建て取引では大幅な値上がりとなっている。ガソリンの業転市況は130円/㍑の横ばい、先物市況は76円程度(税込みで130円)で推移している。
例年4月は不需要期のため減販となるが、月末から5月初めのGWに向けて、街道沿いのSSでは増販を目論んでいる。
GWになると、都心部のSSは企業が休みに入るためSS自体も休むことになるが、郊外のSSは稼ぎ時となるため、販売面では大きな売上格差が生じることになる。
一方、この時期、各製油所は定期修理に入るため、実質減産となるが、定期修理前に積み増しするところもあり、供給増になる場合もある。また、操業を停止していた製油所が再開となると、需給バランスが大きく崩れるおそれも出てくる。需給調整に取り組むべきところであるが、シェアの維持・確保を第一義としている元売としては増産したうえで積極的に販売したいという思惑もある。
新年度に入り、原油価格は為替の円安化により、大幅なコスト増となっている。
各社の3月期決算では、これらの金融情勢の変化により在庫評価益が発生して利益計上には好材料となった。
ただ、4月以降はコスト増により損益分岐点が高くなっているため、今後も原油価格高、円安で推移すれば、大幅な在庫評価益が発生するが、逆に値下がりとなると、在庫評価損が発生して、業績が悪化することになる。