2013.04.18 のニュース
仕切価格の改定でバラツキが-週中改定で末端市況にも影響-
ガソリン仕切価格の改定は、据え置きと小幅な値上げ、値下げが続いている。コスト変動(原油価格、為替)、業転市況の動きが小幅であることを実証していることになるが、加えて他社の動向をみての調整もあり、各社バラツキが生じている。
JX日鉱日石エネルギーは週中の水曜日から金曜日で改定し、ほぼ同額を土曜日から火曜日に値を戻す週2回の仕切価格の改定を継続している。4月は3日(水)から80銭/㍑値下げしたが、6日(土)から80銭下げ、10日から90銭下げたが13日から90銭上げとなっている。また、出光興産の場合は連続して据え置きとなっている。
販売業者サイドは、仕切価格が据え置きとみて、市況維持に努めているが、各社の改定方針にバラツキがあるため対応に苦慮している。
原油価格が値下がりしてきたが円安分で相殺されるため、仕切価格はほぼ横ばいとなっているが、末端市況は下落傾向である。石油情報センターの調査価格では、全国平均が155円/㍑で推移しているが、街道沿いSSの実際の販売価格は150円割れが多くなっている。
また、JXエネルギーの週中での値決めについては、週中で価格が変動することで市況対策が難しくなるとの反発が出ている。週末での値決め方式が定着しているが、35%のシェアを持つ最大手のJXエネルギーが新しい週中値決めを実施したことで、販売業者は動揺を隠せず、市況対策に影響が出ると警戒している。
系列内部でも、週中の水曜日から金曜日で仕切価格が値下がりした場合、この時期にオーダーすれば値下がりした価格で仕入れることが可能であるが、自動配送となっており、またオーダーが集中することで、実際にはこの期間に仕入れることは難しいとの声もある。
一方では、業転市況など実勢の値動きに対応しており、販売面ではプラスとなると歓迎している業者もあって賛否両論となっている。大手の販売業者は、取り引き総量も多く、週中値決め方式を活用しているが、中小業者は、仕切価格を予測したうえで仕入れる時間的な余裕がなく、元売任せのオーダーが中心となるため、週中値決め方式を活用できるケースは少ないようである。
他の販売業者からみると週中で仕切価格が値下げとなると、末端市況に値下げ圧力がかかるため市況対策にはマイナスになるとの不満が出ている。週中の値下げが土曜日の値上げで相殺されることになるが、実際には、末端市況が値下がり局面の場合には、下落に拍車がかかるとの懸念も出ている。
週中の値決めは、業転市況の変動に対応しているが、その背景は、販売シェアの確保を狙ったものとなっている。大口の取引きとなれば、その時点の相場が決め手となるため週中での価格決定がポイントとなる。このパターンが定着するか否かは、他の元売が週中の値決め方式を導入するか否かに左右される。
仕切価格は月決めから週決めに変わり一時は毎日決める案も出たが、現在の週決め方式と週中決め方式2通りの方法が、今後も平行して続くか否か、しばらく様子をみることになる。ただ、週中決め方式導入によって、仕切価格の値下げ局面での先取りした市況下落が懸念される。