日刊ニュース

2013.04.18 のニュース

採算重視の一本道を歩もう

12年度のガソリン小売価格。消費税込みで150円を超えたのは4、5、1、2、3月。11年度は東日本大震災による異常な内需の増減変動が生じているから、一概には判断できないが、エコカーの増加とともに、平均150円を超えると消費節約が頭をもたげてきて、どうやらガソリン内需が大きな前年割れを記録するように見える。
 すでに130円台など、150円を大きく割り込む小売価格は全国津々浦々で出現しているが、先週月曜のガソリン小売は、全国平均155円、消費税別では147・62円だった。現状の精製元売、SSの各粗利を毀損しないで平均150円、消費税別142・86円が出現するには、あと原油コストが4・8円下がることが必要だが、原油の近況はそうした局面に差し掛かった。
 今週の中東産原油指標は、円建てでは最近にない暴落を呈し、この10日間で10㌦安の96㌦台、為替はわずか3日間で3円の円安ドル高の97円台になった。円建てではこの1週間で㍑5・5円安を記録した。先週半ばまでの急激な為替の円安ドル高相場の出現、国内株式の活況も、世界的な視点で見た場合のマネーゲームとリスク回避の一環なのだろうが、1日当たり3円を超える為替、3㌦もの原油の各相場の乱高下をみると、相場が大きく動く際の手当てが遅れると、大きなダメージを被る事態が想定される。
 SSという業態は、原油、為替、製品現物、そしてこれらの先物市場の影響を受けざるを得ないポジションにあるが、元売系列を筆頭に、多くのSSは、その影響を1週間パッケージにして、毎週末ごとにその影響下に入る。1日単位で見ても大きく変動している為替、原油相場の上下動だが、今週末のそれは、最近の中でも最大級の軟化シグナルが点灯している。ここを、どのように凌ぐかが、SS経営者の手腕だ。
 先週まで高止まりであった原油コストをよそに、小売価格の週調査で、すでに平均3・1円も下がってしまった北海道を筆頭格に、2円を超える下げを記録している関東以北の7都県などがある。ゴールデンウイークという書き入れ時を控えて、今回の大幅コスト安に連動して一段下げを演じると、SS経営がへこたれてしまう。採算性をこれ以上、劣化させない道を歩んでいこう。その道こそが、本格的な内需縮小が始まったSS業の一本道である。

提供元:全国石油商業組合連合会
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