2013.04.23 のニュース
高速1千円復活で地域振興を
GWが迫ってきた。谷間の3日間を活用できれば最大10連休だが、JTB見通しでは前半3日間と後半4日間に分散化する模様だ。海外旅行は中韓への旅行者が大幅減となることもあって、国内旅行者数が前年を1%上回る過去最高の2200万人超にのぼり、平均費用も3%増の3・6万円、旅行消費額4%増の7981億円に達すると予測、関係業界は期待を寄せる。旅行先としては、NHKドラマ放映に伴い東北地方の会津や三陸、遷宮効果で伊勢志摩や山陰などの人気が高いそうだ。また、日本RV協会によれば6割のキャンピングカーユーザーがGWに家族旅行を計画しているという。
旅行時の交通手段の7割弱は、乗用車だ。JTB調査は宿泊旅行を対象としており、日帰り旅行や買い物なども含めれば、ドライブ需要ははるかに多くなる。高速道路や有料道路の一部では休日特別割引をはじめ、平日昼間、深夜、通勤など3~5割安の多様な割引制度があり、ETCでの支払い額によって最大8千円分が無料となるマイレージサービスもある。さらに、GW期間中は適用外だが、指定エリアでの乗り降り自由な定額制お得プランも各社が発売している。
これらの割引制度はドライブ促進に少なからず寄与しているが、いまひとつ割安感を把握しにくい。交流機会を増やし、地域活性化を後押しするためには“お得感の見える化”が大事ではないか。アベノミクスによる景気回復の声が伝えられるが、世論調査でも国民が広く実感するまでには至っていないとの報道があるし、持続力への懸念も指摘される。ここはやはり、高速休日1千円特割の復活を求めたい。弊害を心配する声もあるが、それでも、マイカー5900万台超の利用増進策を打ち出し、その効果を広く社会に浸透させ、復興支援にもつながるような仕組みを検討いただきたい。大型連休にとどまらず、「動く」意欲を高める機会を増やしてほしい。
エコカー補助金制度は2回導入された。マイカー向け予算額として第1次に5850億円、第2次に2750億円が投じられ、対象台数は450万台、180万台程度と、購入者や自動車関連企業が大きなメリットを得た。今度は、保有車の利用促進を通じた景気の底上げに目を向け、国民がより広範に恩恵を受けられるよう、第2次・高速休日特割の実現に期待を寄せたい。