日刊ニュース

2013.04.25 のニュース

ガソリン市況下落で増販期待も価格競争で下げ過ぎを懸念

ガソリン市況が下落してきた。20日から、仕切価格が2円~3円/㍑値下げされたことを受けたものである。末端市況は150円台相場から140円台相場へと下落が予想され、値下がりによる需要回復が期待されるとの見方も出てきた。一方、市況下落によって価格競争がエスカレートし、値下げ合戦によるマージン減のため、SS経営が赤字となることも懸念されている。
石油情報センターの調査価格(15日)では155円相場となっているが、次回の調査(22日)では値下がりが予想される。ガソリン価格はが150円を超えると、ユーザーが節約志向となり販売数量が減少するとの憶測の通り、高値感から今年の1月以降は販売減となっている。
ガソリン価格は3月に156円となったことで160円台も予想され、灯油も100円台に高騰したため国会で論議となり、資源エネルギー庁は元売各社に便乗値上げの自粛を要請した。市況が値上がりしている期間、仕切価格は昨年12月から今年3月で平均約10円の大幅な値上がりとなったが、その要因は、原油価格の値上がりに加え、為替が円安進行したためである。為替は1月が90円/㌦であったが、2月は94円、3月が96円、足元では99円となっている。円安によってコスト増となったが、ここにきて原油価格(ドバイ)は、2月の平均110㌦/バーレルから足元では100㌦を割り98㌦へと下落、この大幅下落により仕切価格は値下げとなった。これによりガソリン価格は小幅な値下がりとなり、灯油もシーズンが終りに近づき値下がりしてきたため、価格問題は下火となってきた。
しかし、現状ではガソリン価格が150円台となっていることから、ユーザーは節約志向となっており、1回の給油を満タンにせず、消費する数量を決めて節約するケースが出ている。車の走行距離も短く抑えるため、販売数量の減少が目立っている。基調としては、省燃費車の普及、若者のクルマ離れ、人口の減少という時勢であるため、販売減の傾向を止めることはできないが、景気の回復によって増販を期待したいところである。さらに猛暑、厳冬という気象の変化で増販を見込むことになる。
SS経営からみるとガソリン販売数量を確保することが最優先とされる。販売業者からみれば、販売価格が値下がりしても販売数量を確保することが商売の常道であるため、仕切価格の値下げを歓迎している。
だが、値下げ局面となると、価格競争が先行することでマージン減となるのが常であり、実際、マージンを確保しながら、値下げすることは極めて難しい。結果的には、下げ過ぎで利益をはき出して赤字となるケースが多い。
本来は仕切価格が値下げとなると、末端市況の値下げを遅らせることでマージンを確保することができ、これが利益確保のチャンスとなる。仕切価格の値下げ局面で、直ちに値下げせずに、歩留まりがあれば一息つくところであるが、販売増を狙い、周辺との価格競争となると、仕切価格の値下げ幅以上に値下げして利益を吐き出すことになる。市況下落で販売数量の増加が見込まれても、薄利多売によるマージン減となれば赤字経営に追い込まれる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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