2013.05.09 のニュース
ガソリン 連休前半で下落も 下げ止めで安定推移へ~先物が高騰で状況変化~
ガソリン市況は、GWの前半(4月末)で値下がりしたが、後半(3日~6日)は市況を維持したようである。石油情報センターの調査(4月30日)では全国平均で153円/リットルとなり、前週比では1円の値下がりで8週間連続の値下がりとなった。これは、3月価格に比べ3円の値下がりである。関東では千葉、埼玉が149円で150円を割り、神奈川は150円、東京も154円へ値下がりしてきた。仕切価格は4月20日、27日からと連続して2円~4円の値下げとなり、このため末端市況も下落した。首都圏の街道沿いでは150円の維持が難しくなり、中心値は147円~148円、安値は145円となっている。また、HC、量販店では140円割れとなっている。GW商戦では例年値下がりするが、今年は仕切価格が値下がりしたため、末端市況は前半で一気に下落した。一方原油価格は4月中旬以降、値下が基調となっていたが、イスラエルのシリア空爆により高騰し、東京商品取引所の先物も7日に急騰した。
WTIは4月下旬は90ドル/バーレルを割っていたが、96ドルへ、ブレントは105ドル台と値上がりしてきた。これはイスラエルのシリア空爆が報じられたことによるもので、東商取の先物も、原油価格が6万4000円/キロリットル、ガソリンが7万6000円、灯油が7万2000円と各4000円程度(4円/リットル)の大幅値上がりとなった。
原油価格は、アメリカの景気回復、経済成長を受けて上昇が見込まれているが、欧州の財政危機、中国、インドの経済成長の鈍化などの値下がり要因もあり、見通しは難しい。
ガソリン仕切価格の4月平均は、JX日鉱日石エネルギーが1円10銭、出光興産が1円50銭、昭和シェル石油が1円60銭の各値下げとなっているが、下旬だけでみると累計では2円~4円の値下がりとなっており、末端市況は3円~4円の値下がりとなっている。だが、為替は98円~99円/ドルの円安で推移しており、先物が急騰していることから、仕切価格は値上げへと様相が変わってきた。