日刊ニュース

2013.05.15 のニュース

ガソリン仕切据え置き続く当面は市況維持を図る ~安値140円割れが増加もマージン確保が重要に~

ガソリンの仕切価格は、11日から70銭/㍑~据え置きとなっているため、販売業者は今週も市況維持に努めることになる。仕切価格が連続しての据え置きとなっており、今週の原油価格、業転市況、為替の動向が注目される。原油価格はイスラエルによるシリアへの空爆によって一時値上がりに転じたが、その後は安定している。しかし、為替が100円/㌦を突破したことから、円安によるコスト増が予想される。末端市況は4月下旬から5月初旬に値下がりしており、現在は下げ止めの状況にある。石油情報センターの調査価格(7日)によると、全国平均が152円50銭/㍑で70銭の値下がりとなり、四捨五入値では153円をギリギリ維持しているが、今後、152円へと値下がりとなりそうである。9週連続の値下がりとなっており、累計では3円の値下がりとなる。首都圏の街道沿いでは150円の維持が難しく147円~148円か中心値となっており、HC、量販店の安値は140円を割って139円となるなど、140円割れが増加している。
ガソリン市況は、維持安定化を図っているが、安値が増加傾向にあり、今週の石油情報センターの調査価格が注目される。
仕切価格は、為替が100円/㌦の円安となり、原油価格も小幅な値上がりとなっていることから、11日からの仕切価格は値上がりするとの予想もあったが、今週も据え置きとなり、思惑が外れた。
為替は4年ぶりに100円/㌦の円安相場となり、デフレ、円高からの脱却策であるアベノミクスが効果をあげたことになる。今後も引き続き、仕切価格の値上げが予想されている。
円安の進行により、輸出産業の自動軍、電機メーカーの決算は大幅な上方修正で増益となり、今年度の予想も好調が伝えられている。一方、円安により輸入品の値上がりで物価の上昇が懸念されている。輸出産業の業績回復と、物価の上昇を吸収して景気回復が軌道に乗るか否か、今後、様子を見定めることになる。
石油業界では、円安の進行によって仕切価格の値上げとなれば、高値による販売減という懸念も出てくる。ガソリン価格が150円を超えると、ユーザーの節約志向が浸透するため、減販となるが、現状の値下がりのように140円割れとなると、マージンの減少でSS経営が悪化する。値下がりによって増販となっても薄利多売となるため。ここは適正マージンを確保すべきである。この状況が続けばSSの廃業が増加することとなり、過疎化問題が深刻化する。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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