2013.05.20 のニュース
25年度は前年並みの利益を予測-コスモ、業績回復で復配を狙う-
石油各社の平成25年度決算予想が発表となった。JX日鉱日石エネルギーと出光興産が、原油価格(ドバイ)105ドル/バーレル、為替95円/ドル、コスモ石油が原油価格100ドル/バーレル、為替100円/ドルを前提にしている。コスト面では、双方ほぼ同額となる。JXエネルギー、出光は在庫評価益が発生するが、コスモはゼロと見込んでいる。足元では原油価格は101ドル/バーレル程度、為替は円安が進行しており102円/ドルで推移している。
石油事業は、減販となるがマージン増を見込み、JXエネルギーと出光は前年並みの利益を見込んでいる。コスモは、千葉製油所の事故で前年が赤字であっため、無配となったが、増益を見込み復配を狙う。
各社別の決算予想をみると、JXホールディングスの連結経常利益は3350億円(在庫影響除きは3000億円)で前年比で2%増、純利益は1700億円で6.6%増を見込んでいる。うち、在庫評価益350億円を含んでいる。セグメント別ではエネルギー事業が1700億円(在庫影響除きは1350億円)で84億円増、うち石油製品は570億円、石油化学は780億円となっている。石油・天然ガスは850億円で86億円の減益となっている。
出光の連結営業利益は790億円(在庫影響除き660億円)で29%減(317億円の減益)、純利益は510億円で横ばいを見込んでいる。セグメント別では石油製品が590億円(在庫影響除き460億円)で19%減(139億円の減益)、石油化学は150億円で12%減(21億円の減益)、資源のうち石油開発が135億円で47%減(121億円の減益)、石炭が55億円の損失(前年も28億円の損失)となっている。
コスモの連結経常利益は610億円(在庫影響はゼロ)で、前年実績の484億円と比べ126億円の増益となっている。前年は在庫影響が153億円あり、これを除いた経常利益は331億円、在庫影響なしで279億円の増益を見込んでいる。
コスモの場合、24年度は経常利益484億円を計上したが、千葉製油所の事故に伴う停止資産固定費の特別損失、繰延べ税金資産の再計上の見送りで859億円の損失となった。この損失に対して資本準備金、利益準備金の減額、繰越利益剰余金を取り崩して欠損を補填する。その結果、25年度で利益が確保できれば復配ができる体制となる。
セグメント別では、石油事業が30億円(前年は237億円の損失)で267億円の増、石油化学が35億円(33億円)で2億円の増益、石油開発が555億円(607億円)で52億円の減益となる。このように、千葉製油所の再開により、石油事業での業績回復を見込んでいる。
在庫影響除きの経常利益は、279億円の増としているが、増益の要因をみると、石油事業では、マージン増で121億円増、輸出増(150万キロリットルを計画)で148億円増、販売数量の減少で31億円減となり、小計238億円の増となる。その他に千葉製油所の操業再開による代替供給コストの解消で303億円増、千葉製油所の固定費振替で116億円減となるが、それらを相殺すると182億円増となり、石油事業の合計では420億円の増加、石油開発での減益分を相殺しても、610億円の利益を確保する。