2013.05.22 のニュース
定期修理入りも業転は低迷-販売減少で需給は締まらず-
4月~6月は不需要期となるため、製油所は定期修理に入る。トッパーを停止しての全面的な定期修理は基本的に4年に1回となっており、各製油所間ではスケジュールに沿って実施となる。定期修理が集中することで各社とも減産となるが、販売数量が減少する時期であるため需給はバランスを保つことになる。
しかし、減産対応しているものの、減販傾向が一段と強まっており、このため需給は緩和する状況となっている。定期修理を前に増産して在庫を積み増すケースや、製品を融通(貸し借り)するケースなど、各社間の需給取組みにはバラツキが生じている。全体の在庫数量は減少しているため、不足するケースでは市中買いに出るが、販売が予測を下回り、市中買いを控えると、需給は緩和する。これから市中買いが活発化する時期であるが、業転市況は低迷している。原油価格は小幅下げとなっており、為替は102円~103円/ドルと円安が進行しているが、業転市況は販売が低迷していることもあり、横ばいで推移している。
石連週報によると、5日~11日のトッパーの稼働は389万バーレル/日で能力の447万バーレル/日に比べ58万バーレル/日が停止しており、稼働率は74.4%となっている。これから定期修理が本格化することで、さらに減産となる。
石油製品の販売数量が減少しているため、需給は緩和傾向で推移しており、業転市況は低迷している。1月~3月の販売数量は、燃料油で6%減、ガソリンが4.6%減、灯油が10%減、A重油も12%減と軒並み大幅な減少となっている。昨年が閏年で1日多かった影響も考えられるが、それを相殺しても大幅な減少となっている。2月のガソリン販売は6.7%減、灯油は13%減、3月のガソリンは4.5%の減、灯油は気温の上昇により22%の大幅減、A重油も13%減、C重油も19.5%減と大幅な落ち込みとなった。増販が続いたC重油も電力用が減販に転じるなど陰りも出てきた。とくにガソリン販売は、想定以上の落ち込みとなっている。4月~5月のガソリン販売は回復しているが、今後も減販傾向が続くものとみられる。
そのため各社とも4月~6月は、定朗修理に合わせて大幅な減産で対応しているが、これから入梅となるためガソリン販売は落ち込む。連休商戦は好天気が続き販売は好調となったが、新車の販売は省燃費の小型車が上位を占めており、新車が増販となってもガソリンの増販に結びつかない状況が続いている。
足元のガソリン在庫を石連週報でみると、228.5万キロッリットルで前週に比べて2.7万キロリットル増、前年比では1.4万キロリットル増となっている。ガソリン在庫は、この時期は、例年220万キロリットル程度で推移しており、今年も決して在庫増とはなっていないが、販売減となっているため供給増と受け止められている。在庫は200万キロリットル割れとなれば、需給も締まるが、販売が減少しているため、タイトにすることは難しい。
6月は例年減販となり需給は緩和するが、この時期を過ぎると7月~8月は夏場の需要期に入り、販売増となってくるため需給はタイトとなる。したがって、現時点での市況対策ではこれ以上値下げせず、維持に努めることがポイントとなる。