日刊ニュース

2013.05.29 のニュース

ガソリン仕切 小幅値上げ ユーザー転嫁は難しい状況~需給調整で業転値上げを~

ガソリンの仕切価格は、25日から50銭~1円10銭/リットルの値上げとなった。5月は据え置きが続いていたが、ようやくの値上げである。為替が円安で推移したことから、仕切価格が値上げ局面となったが、減販により需給が緩和したため業転市況が下落しており、これまで値上げに踏み切れなかった。そのため末端市況は値下がりが続いており、仕切価格の値上げに対して、即ユーザー転嫁は難しい状況にある。石油情報センターの調査価格(20日)をみると151円90銭/リットル、前週に比べ20銭の小幅下げとなり、11週連続の値下がりとなっている。神奈川、北海道では値上がりしているが、全体的には小幅下げとなっている。だが、仕切価格が小幅であるが値上げとなったことから、今後は下げ止めになるものとみられる。当面は、需給調整による先物、業転市況の値上がりと、超安値となっている140円割れの136円~138円が底上げされるか否かが焦点となる。
 ガソリンの仕切価格は25日から小幅な値上げとなった。本来ならばユーザー転嫁に取り組むことになるが、末端市況は下落が続いているため厳しい状況にある。仕切価格の値上げ幅が1円/リットル程度の小幅な値上げとなったことで、まず安値の是正、その後に本格的な転嫁に取り組む。
 末端市況は3月から連続して値下がりしているため、安値物が下げ止まることが先決となる。それには需給を締め、業転市況を値上げする必要がある。だが、各社とも減産で対応しているものの、予想外の減販となっており需給が締まらず厳しい状況が続いている。
 元売は仕切価格の値上げを通告したことから値取りに動くが、同時に需給調整に取り組むことになる。また、製油所が定期修理に入っており、実質減産となっているため今後に減産効果が見込まれる。ただ、これから不需要期となり、6月のガソリン販売は、最も落ち込む時期であることから正念場を迎えることとなる。
 販売業者は4月末からのゴールデンウィークで増販を期待したが、好天気に恵まれた割には販売が増加せず、市況下落となった。元売の平均仕切価格は3月が小幅上げ、4月は60銭~1円10銭値下がり、5月は小幅下げか据置きとなった。だが、末端市況は、石油情報センターの調査価格によると、3月の156円から5月は152円と4円の値下がりとなり、仕切価格の値下げ以上に市況が値下がりししたため販売業者のマージン幅は低下している。
 元売もマージンが減少しているため、仕切価格の値上げを機に市況対策に取り組むものとみられる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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