2013.06.03 のニュース
減産も需給バランスせず 高値在庫の取り崩し~売り急ぎで市況低迷~
石油製品需給は、各製油所の定期修理による減産にもかかわらず、需給バランスが崩れ供給増となっている。石連週報(25日)では、ガソリン在庫が226万キロリットル、前週比1.4万キロリットル減となっているが、前年と同水準であり、減販が続くこのところの状況下では高水準の在庫となる。また、灯油は159万キロリットル、前週比5.4万キロリットル減となり、前年より大幅に減少している。現在、業界では、販売低迷の原因は販売方針に問題があるとの指摘がある。ただ、業転市況が安値状況であるため、手の施しようがないことも実状である。そのため、仕切価格は値上げに踏み切ることが出来ず、これまで見送りとなっていた。それでも、25日のガソリン仕切価格は一応50銭~1円10銭/リットルの値上げとなったが、販売業者はユーザー転嫁を見合わせている。
現在、各製油所の定期修理時となり、その前に在庫を積み増す元売はあるが、減販となっているため市中買いに出る元売は少ないようである。
一方、高値の原油在庫を早めに処理することで、安い原油在庫に切り替え、コストを引き下げる動きもあって、不需要期でありながら、売りが目立っている。そのため、業転市況が低迷している。
定期修理に加え減産となっているにもかかわらず供給増となっているため、需給バランスを保つ目的での売り急ぎが増えている。
これらの動きが落ち着き、定期修理明けとなれば増産で対応して、元売各社間の融通分を精算することになるが、さらなる供給増を懸念する向きもある。
今後の販売動向であるが、ガソリンは4月が横ばい、5月が微増となり、1月~3月の減販を挽回しつつあるため、健全な販売方針が望まれる。ただ、ユーザーの節約志向が浸透しているため、マージン増で対応するしか方策はないようである。