日刊ニュース

2013.06.03 のニュース

生命を繋ぐガソリン

 自民党の石油流通問題議員連盟の会合。業界からは全国の石油組合理事長と油政連県連会長が出席し、その議連に設置された4つのプロジェクトチーム(PT)からそれぞれ中間報告を聞いた。本紙ではいま、その4つのPTごとに議論の中身を紹介している。業界の抱える問題の本質に迫った議論でもあるので、ぜひ、その内容に目を通してほしい。
 議連会合で、大震災被災県の理事長から以下の発言があった。SS業界がなぜいま、政治に望みを託しているかを伝える言葉だけに、ここで紹介しておきたい。
 --震災発生直後、被災した人たちが最も求めていたのはガソリンであり2番目が食糧、3番目が灯油だった。震災後3日間は電気・ガスが止まり、私のSSにも、ガソリンの携行缶など持っていないため、津波で流れ着いた灯油のポリ缶やペットボトルを持って、ガソリン、灯油を入れてくれという被災者のみなさんがたくさん訪れた。
 なんのためにガソリンが必要だったかというと、避難所も一杯で入れない方々が津波をかぶって体は濡れているし、横殴りの雪も降っている。車で暖を取るため、生命を繋ぐためのガソリンだったのだ。
 そういう状況下で、家族が津波で流されて行方知れずになっていたり家も車も流されたスタッフが、住むところを流され、車で暖を取るしかないおじいちゃんやおばあちゃんを前に、手回しでガソリン、灯油を汲み上げて提供した。20回まわしてようやく1㍑給油できる。20回まわすと手にまめができて、2㍑目には血が出る。そんな中で給油し続けた。
 原発が止まって発電できるのは石油があるからでもある。そんな大切なガソリンや灯油が、国のエネルギー基本計画にきちんと位置付けられていない。だからこそ、石油をライフラインの根源であるときちんと位置付けていただきたいのだ--
 いま国は、エネルギーのこれからのあり方を議論しているが、再生可能エネルギーなどには好意的だが、石油には冷淡に映る。販売業界には業転問題など様々なハードルがあるが、その公正競争もいまだ実現していない。これらの要因が放置され、このまま過疎地化が進んだら、わが国のエネルギーライフラインはどうなるのか。この重要な問題を、国民の声として受け止めるのが国会議員である。だから政治に訴えるのである。

提供元:全国石油商業組合連合会
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