日刊ニュース

2013.06.06 のニュース

いつまで愚者の道を歩むのか

 この3月末の元売系列SS総数は2万6629ヵ所。1年間で1289ヵ所が減少したが、間もなくエネ庁から発表される登録SS総数は前年度末の3万7743ヵ所から、3万6千ヵ所台の前半となろうから、単純計算でJX系列に迫る約1万ヵ所弱の系列外PBが存在することになる。その拠点シェアは27%台だ。
 10年前は総数5万1294ヵ所、系列4万839ヵ所、PBシェア20%台。20年前は総数5万9224ヵ所、系列5万5227ヵ所、PBシェア6%台。SSを含めた国内石油産業の自由化の一側面として、PB躍進の履歴がくっきりと残る。このペースでPBシェアが高まっていくと、今年度末にはJXと並び、来年度には最大チャンネルというすう勢になる。増勢を支える最大の要因が系列が劣勢の度を強める卸価格だ。いつまで石油は、元売は、我々SSは、こんな愚か者の道を進むのだろうか。
 全SSが系列に属していても、元売が数量至上主義を捨て去らない限り、やはり愚か者の道を進むことになる。
 現在の国内ガソリン市場において、その大元にある元売が「売り負けるな!」という号令を発すると、それは儲けを度外視することと同義となる。個々の系列SSでは、やや意味が異なるが、その号令に付き従っていくと、必然的に数少ない勝者と多くの敗者を生んでいく。系列SSは、収益を重視する者は、号令に背く結果となるばかりか、数量を失い顧客の支持が少なくなっていく。号令に従った者も、収益基盤が崩れていく。
 これよりもさらに劣悪な行為が、現実には地域密着の系列SSの希望を奪っている。自らも大赤字に転落し、もはやPBの優位性を保持する機能しか見出せない現行の仕切り方式に固執し、自ら発している「売り負けるな!」号令が、業転市場を肥大化させているのだ。
 石油という産業に人格があるとしたら、1年前よりも今年、先月よりも今月、昨日よりも今日、石油はその品格と知的水準を落としてしまっているように見える。政府が、行政が最重視し、権益、探鉱、生産、運搬に命を賭して、ようやくこの国のゲートをくぐった英雄・石油が、元売とSSの俎上に乗った瞬間に、その人格を貶められてしまう。すべてを改める心構えで、リセットすべき潮時だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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